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おそ松さん×哲学・・・って、なんなのそれ?

2016年3月10日

人気アニメ「おそ松さん」を、哲学者があかるく読み解く!

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「哲学」ってむずかしいことだと思っていませんか? 「哲学」とは、「ものごとの正体を知ること」。哲学者の小川仁志さんが、身近なことを題材に分かりやすく哲学の視点から読み解きます。第1回目のテーマは、大人気TVアニメ「おそ松さん」。ちまたを騒がす6つ子の人気に迫ります。

赤塚イズムを受け継ぐ6つ子たち

 赤塚不二夫原作のアニメ「おそ松くん」が、その後を描いた「おそ松さん」としてブレークしています。6つ子とハチャメチャな脇役たちが繰り広げるナンセンスな世界観。なぜ今これがウケているのでしょうか?

 もちろん元が昭和のギャグ漫画であるため、「おそ松さん」では単に6つ子たちが大きくなったという設定だけでなく、かなり現代的な要素を取り入れて、今の人たちに受け入れられるように工夫されています。

 だとしてもこんな、なんのこっちゃ意味のわからないアニメが若い女性に受けているというからには、もっと深い理由がありそうです。意味のわからないものの正体を探る分析ツールとしては、哲学が最適です。なにしろ哲学は物事の本質=正体を探るのが仕事ですから。そこでこのコラムでは、数回にわたって「おそ松さん現象」を様々な角度から哲学してみたいと思います。

「おそ松さん」って、なんでウケてるの?

 第一回目は、まずこの世界観全体を分析しておきましょう。つまり、「おそ松さん」がウケている要素についてです。色々あると思いますが、ここでは3つ挙げたいと思います。ナンセンス、ブラックユーモア、女子会ノリです。

 まずナンセンスについて。笑いの基本はそもそもナンセンスなので、その意味では「おそ松さん」は笑いの王道を行っているといっていいでしょう。考えてみれば赤塚不二夫センセイの漫画はギャグの古典ですから、王道に決まっているわけですが。

 では、どうしてナンセンスが笑いの基本なのか? それはフランスの哲学者ベルクソンによる「笑い」の定義を見ればわかります。

アンリ・ベルクソン(1859-1941)。フランスの哲学者。生命進化の根源的な力として、「エラン・ヴィタール(生命の跳躍)」概念を提起。笑いについて論じたり、ノーベル文学書を受賞するなど多彩な才能を発揮した。

 彼は、笑いの本質を「機械的なこわばり」という概念でとらえています。たとえば、走っていて石につまずいた人と、職場で椅子に座ろうとして尻もちをついた人の例を挙げ、次のようにいいます。

 「職場での笑劇の犠牲者は、だから、走って倒れた人と類似の状態にある。それは同じ理由からして滑稽である。どっちの場合でも、笑うべきことは、注意深いしなやかさと生きた屈伸性とがあって欲しいそのところに、一種の機械的なこわばりがある点だ」と。

 つまり、もっと注意深く、柔軟に生きてさえいれば避けることのできた事態が、機械的な動作を続けたことによって、ある種の「こわばり」をもたらしたというのです。そのこわばりが滑稽なシーンをもたらすのです。言い換えるとそれは、意外性がもたらすおかしさだということができます。

 だから、こう来ると思わせておいて、意外な展開をさせる。それによって、「おいおい」とか「そっちかい」と突っ込みたくなる笑いが生まれるのです。こうした笑いの基本を押さえつつ、今人気のお笑いのパロディなどを取り入れている点も、「おそ松さん」がウケている理由の1つでしょう。とにかく明るい安村さんの「はいてますよ」のパロディは、私も思わず笑ってしまいました。

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Profile
小川 仁志
小川 仁志(おがわ ひとし)
哲学者・山口大学国際総合科学部准教授
1970年、京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。米プリンストン大学客員研究員(2011年度)。商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。専門は公共哲学。著書に『7日間で突然頭がよくなる本』、『世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学』(共にPHP研究所)等多数。
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