納期を守れない新入社員にどう指導する?

 続いて、新入社員を指導する際に「困っていること」と、「こうしてほしい」という思いを聞きました。

落ち込みやすい/反応が薄い

「注意するとものすごく落ち込んでしまうので、ミスの指摘に気を使います。回復に時間がかかるので、なかなか新しい仕事を任せられません。メモをこまめに取ったり、自分で勉強したりして早く一人前になってほしいのですが……。面倒を見てばかりで、私の仕事が終わりません!」(25歳、サービス、営業)

「反応が薄いのでどう教育していいのか分かりません。『はあ』とか『たぶん』ではなく、ハッキリとした返事をしてくれないと、仕事をやりたくないのかと思ってしまいます」(26歳、製造、経理)

 自分の指導に対して、新入社員が必要以上に落ち込んでしまったり、どう思っているのかが分からないという戸惑いが見られます。

納期を守ってもらえない

「納期への意識が低く、『忘れていました』『時間がありませんでした』という回答が平気で返ってきます。進捗確認とリマインドを徹底し、本来の期日より早めの期日を伝えています」(27歳、サービス、広報)

「仕事が遅く、マイペース過ぎて、今すぐやるように指示してもすぐに着手しません。気持ちが乗っている日は仕事のスピードが上がることもあるので、いつもそうしてくれと日々思っています。最近では、『指示出し → 期限の共有 → 期限が近づいたら進捗確認』の一連の流れを徹底しています」(26歳、サービス、営業)

「毎月同じ期日のタスクがあるのですが、それを守ることができません。期日が過ぎたことを知らせても返信がなく、社内の提出期日に対する認識が低いことが原因だと思います。スケジュールの自己管理とタスク管理で対策をするしかありません」(27歳、サービス、総務)

 「納期を守る」大切さを自覚していないことが、「困る」原因になっているようです。進捗確認の徹底をすることで対策をしている人が目立ちました。

先輩社員にとっての「当たり前」が通じない

 その他にも、さまざまな新入社員の「困っていること」が挙げられました。仕事への意識の違いが問題を引き起こしているようです。

仕事への意識が低い

「仕事ではなく、作業になっています。プラスαの要素がなく、淡々とこなすという感じです。クライアントの立場で考えることの大切さや、自発的に仕事をしたくなる話を伝えるようにしています」(27歳、サービス、広報)

「他部署から質問や相談を受けることがあるのですが、後輩がよく席を外してしまうので、結局自分一人で対応しています」(26歳、製造、経理)

自己判断で動いてしまう

「必ず守るように念を押した業務のルールを守らない部下がいました。前から自己判断で動くクセがあったので注意したら、ひとこと目が言い訳。指導する気が一気になくなりました。私も新入社員の頃は何度も怒られていたので気持ちは分かりますが、最初は一言謝るべきではないかと思います」(26歳、サービス、営業)

メモを取らない

「大事な商談で、部下がメモを取る役割でしたが、商談後に見るとメモはぐちゃぐちゃ。『何を書いたのか、何を話していたのか分かりません』と言われ、上司陣は思わず沈黙でした。習慣付けられていないことが原因だと思います。部下本人が努力しなければならない部分が大きいですが、継続的に指導することが必要だと実感しました」(26歳、サービス、営業)

「メモ取ってね」では通じない? (C) PIXTA
「メモ取ってね」では通じない? (C) PIXTA

 「業務のルールを守る」「共有できるメモを取る」といった、先輩社員なら当たり前だと思っている業務ができないときに、「困った」と感じることが多いようです。