24時間以内に返事がほしいときは

 では、24時間以内に返事がほしいものはどうしたらよいでしょう。例えば、10時に送ったメールの中に「11時までに返事をお願いします」と書いてあったら、相手は不愉快になる可能性があります。「急な依頼なのに、どうしてメールで済ませるんだ!」と激怒するかもしれません。

 相手がパソコンに向かっているから「すぐにメールが見られるはずだ」と勘違いする人がいます。それは、ただの決め付けです。相手は、文書をまとめているのかもしれません。プレゼン資料を作成しているかもしれません。メールが届いたときに画面の右下に出てくる通知は止めているかもしれません。

 つまり、あなたが送ったメールに気がつかないかもしれないのです。たまたま、そのメールを10時55分に開いたらどうなるでしょう。激怒されるか。呆れられるか。どちらにしても、印象が悪くなることは避けられません。

 急ぎの期限があるメールを送ったら、一声かける。とってもシンプルですが効果的です。

 また、あいまいな表現は、期限に関するものだけではありません。抽象的な依頼やあいまいな依頼も同様です。「うまいことやっておいてください」「センスにお任せします」「なんとなくいい感じに」「とりあえずお任せします」などという表現には、多少の配慮が含まれているかもしれません。しかし、明確な依頼の指示こそが効率を上げます。

具体的に書いて正しく伝える

 メールは、受け取った人が好きに解釈をしてしまう傾向があります。自分の中で合理的に考え、最適だと思って答えを出します。しかし、それが全くずれていることもあるのです。

 伝わりやすいメールは無駄がありません。誤解をさせる余地が全くないのです。いつ、誰が、何のために、どのように、何を。このような情報が欠落することなく具体的に書かれていたら、間違いが起こる可能性も低くなるでしょう。

 分かりやすいメールを送れば、相手は聞き直す必要がありません。分からないから質問をする。それは、効率を下げるばかりでなく、悪い印象にもつながります。

 聞き直させるというのは、実は無駄な行為です。それをさせないためにも、確実に要件や指示が伝わるようなメールを書くべきましょう。相手への配慮も大事ですが、正しく伝わる方が数倍大事です。

この連載は……

日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗さんが、働く女性から寄せられたメールにまつわる悩みにお答えする連載です。今よりさらにスマートなメールの返信で「この人と仕事がしたい」と思ってもらうようなアドバイスをしていただきます。毎週火曜日、これから連続6回の短期集中講座として公開します。
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次回のお悩みは……

働く女性が使ったら「なんかこの人、感じがいいな」と思われるような「気が利いて、印象がアップするフレーズ」はありますか?そのようなフレーズは、どのようなことを要点に送ればいいのでしょうか。