自分の行動による結果が分かりやすいのが営業

――時には営業先である眼科の先生などと上手にコミュニケーションを取れないこともあると思いますが、そういう場合はどのように乗り越え、モチベーションを上げているのでしょうか。

 「過去にうまくいった体験や、うれしかったことを思い出して、モチベーションを上げています。落ち込んだときには、『今の自分の行動が、果たして本当によい結果を生むのか、やりがいや患者様の喜びにつながるのか』と考えて、気持ちを立て直していますね。

「2016 President’s Club Sales Rep of the Year」を受賞したときの様子。全社員が集まる表彰式でレッドカーペットを歩く筧さん。4泊6日のハワイ旅行がプレゼントされたそう
「2016 President’s Club Sales Rep of the Year」を受賞したときの様子。全社員が集まる表彰式でレッドカーペットを歩く筧さん。4泊6日のハワイ旅行がプレゼントされたそう

 思うように売り上げが上がらないときには、冷静に原因を分析します。例えば、売り上げが落ちている店舗があった場合、そのお店に訪れるお客様の数自体が減って売り上げが落ちているのか。それとも、自社の製品の売り上げだけが減っているのか。原因がどちらかによっても、対処の仕方は違ってきます。

 原因を探るには、眼科や店舗のスタッフ、そこを訪れているお客様の声を参考にしたり、自分で周囲を歩いてみて近隣の情報を収集したりします。まずは原因を探ることで、具体的な解決策を考えることができるからです」

――どんなところに営業のやりがいや面白さを感じていますか?

 「自分が与えた影響や仕事の結果が、ダイレクトに分かるところです。営業先に製品の情報を伝えたら、『そうだね、この製品はいいね』と共感してくれたり、『その情報は知らなかったよ!』と喜んでくれたり。そうした反応が直接自分に返ってくるので、相手に『自分が売り込んだ製品が役になっている、貢献できている』と実感することができます。

 さらに、営業先のスタッフの方から、『アキュビューのおかげで快適に過ごせるようになったとお客様が喜んでいたよ』と、教えていただくこともあります。すると、喜びは2倍。それが私の働くモチベーションにもなっています」

「自分がどれだけやったかが、数字となり結果となる。何より『貢献できたという実感』が励みとなっています」
「自分がどれだけやったかが、数字となり結果となる。何より『貢献できたという実感』が励みとなっています」

――では、最後に今後の目標を教えてください。

 「これまで身に付けたスキルに加えて、さらに営業力を高めていきたいです。また、営業として培ってきたスキルは、職種を超えて生かせるものだと思っています。社内でも営業から他の職種に異動して活躍されている方がたくさんいるので、長期的な視点で考えると、違う職種にも挑戦してみたいですね」

身に付いたスキルと身に付けたいスキル

【筧さんが営業を通して身に付けたスキル】
1位:状況・ニーズ把握力
2位:問題解決能力
3位:交渉力・突破力
4位:傾聴力
5位:リスク管理力
自分の目、足、耳をフルに使って情報収集する筧さん。販売店や病院の環境に合わせた営業戦略を立てられるのは、状況・ニーズを着実に把握しているからこそ。「人見知りでうまく話せなかった私も、まずは相手を知ることから。ニーズ把握や傾聴のスキルは、営業を始めるときにはとても重要だと実感しています」
【これから身に付けたいスキル】
1位:リサーチ・マーケティング力
2位:工夫・改善能力
3位:調整力
4位:企画提案力
5位:クロージング力
「営業の仕事を通して収集した情報やデータを分析し、工夫や改善をしながら、新しい企画を生み出す仕事にもチャレンジしたいと思っています。自分が考えるだけでなく、社内の他部署や営業先と協力しながら一緒に売り上げをつくっていくような企画にも積極的に取り組んでいきたいです」

聞き手・文/青野梢 写真/品田裕美

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