忙しく働く一人暮らしの女性が、快適な住まいを手に入れるためには、どのように部屋探しを進めていけばいいのでしょうか。住まいの専門家3人に、押さえておくべきポイントや、ネットを活用した部屋探しについて話を伺いました。

特集「仕事がはかどる部屋探し」目次
・プロに聞いた物件探し 広い部屋を見逃さない検索テク(この記事)
・ネット時代の物件探し「とっておき物件」は存在する? 3月19日公開予定
・物件探し 内見時のチェックポイント&家賃交渉のコツ 3月22日公開予定
・敷金は戻ってくる? 新居の契約書、どこを確認すべき 3月23日公開予定

不動産会社へ行く前に、「住む場所」と「条件」を明確に

部屋探しは下調べが大切。住む場所と希望条件を明確にしましょう (C)PIXTA
部屋探しは下調べが大切。住む場所と希望条件を明確にしましょう (C)PIXTA

 3月・4月は、賃貸業界の繁忙期。大学進学や就職、転勤などが重なり、物件の動きも速く流動的です。そんな中、一人暮らしの働く女性が効率的に部屋探しをするためには、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。二つのポイントがあると、ハウスメイトパートナーズの谷尚子さんは言います。

 「不動産会社を訪問する前に、『住む場所(最寄り駅)』と『希望の条件』の二つを決めておきましょう。勤務先や実家の場所などを考慮すると、自分が生活しやすいエリアは絞られてくると思います。不動産会社は、各エリアごとに店舗を展開しているため、引っ越したい場所の店舗に訪れたほうが、そのエリアの物件や周辺環境に詳しい担当者に対応してもらえて効率的です。また、希望の条件を明確にしておくことで、物件紹介もスムーズに進みます。迷ったときや、最終的に物件を決めるときの判断基準にもなるので、希望条件の中での『優先順位』を付けておくことも大切ですね」(谷さん)

 どの街の、どんな部屋に住みたいのか。この二つがハッキリしていなければ、部屋探しは長引きます。急ぎではなく、物件の動きが緩やかな5月~8月や11月、12月なら、のんびりと探すのもいいでしょう。ですが「4月までに引っ越し」というように時期が決まっているなら、最初の下調べが肝心。「住む場所」と「希望の条件」を明確にすることから、部屋探しが始まります。

1 ネットを活用して、住む場所と条件を定めていく

 まず、住む場所や条件を決めるときには、インターネットを活用しましょう。不動産ポータルサイト「SUUMO」編集長の池本洋一さんも、「住む場所や条件がはっきりと決まっていない場合は、ポータルサイトで『相場観』を養うのがオススメです」と話します。

 「SUUMOでは、沿線や駅から物件を探せるだけでなく、『通勤時間』や『家賃相場』(PC版のみ)などで絞り込みをかけて、全国の物件を検索できます。職場から30分以内の物件には、どんなものがあるのか。各駅の家賃相場はいくらなのか。どのくらい家賃を払えば、希望の広さの物件に住めるのか。自分の生活圏や、支払える家賃の上限などを考慮しながら検索することで、住む場所や条件が具体的に見えてきます」(池本さん)

2 生活スタイルに合わせて条件や優先順位決めを

 希望条件や、その中での優先順位を決めるときには、自分の「生活スタイル」を振り返ることも大切です。例えば、日当たりのいい物件に住みたいと思っていても、「日中は仕事で、家にいるのは朝と夜だけ。休日もほとんど外出していて、洗濯物も部屋干し」という生活であれば、「日当たりがいい」という条件の優先順位は下がるはず。

 「一般的にいいとされる条件で選ぶのではなく、自分の暮らしに合った条件で物件を選ぶと、住んでからの不満やミスマッチが少なくなります。特に3月と4月は、いいなと思った物件が、タッチの差でなくなることが頻発する時期。譲れない条件と、譲歩してもいい条件に分けていきながら優先順位を付ければ、おのずと物件が絞り込め、部屋探しにかける時間も短縮できます」(谷さん)