「30歳の壁」は、年齢を気にする文化に起因する

 この30歳という年齢は、昭和時代に20代の女性に対して言われていた「クリスマスケーキ」という言葉を思い出させます。当時のデータでは、昭和50年(1975年)の初婚同士の女性の平均年齢は24.4歳。これが平成27年には29歳まで上昇しています。つまり昭和時代に「24歳と25歳の間にあった壁」は、その後「29歳と30歳の間にある壁」へスライドしたといえそうです。もちろん結婚だけでなく、30歳という年齢の壁を感じたことがある女性も多いのではないでしょうか。

 「30歳の壁」を感じる理由の一つとして、一般的に日本人が女性の幼さやかわいらしさを好む傾向が考えられそうです。特に日本は今でも文化的に女性が前面に出ることを好まないケースがあります。さらに、礼節を重んじる儒教思想では年上の人間を敬うことから、他人や自分の年齢をとても気にするのも理由の一つかもしれません。そのために「30歳」という響きや、1歳の年齢の重みが余計に感じられるといえそうです。

 一方、欧米ではセクシーな女性や成熟した大人の女性が好まれる傾向があります。控えめさよりも自分の意見を持って自立していることや、かわいらしさよりも大人の雰囲気が評価されることが多いのです。

 それでも、出産を考えるなら20代から30代前半が好ましいことは否めず、欧米でも結婚の先に子どもを考える場合、30歳前後が一つの区切りになることはあるようです。

 私生活で「やんちゃをやりつくした」ヘンリー王子が結婚相手として求めたのは、いろんな経験を積んで、包容力を感じさせる36歳の成熟した女性でした。さて、他の国では結婚年齢にどんな傾向があるのでしょうか。世界の動向を見ていきましょう。