4児の母にして大国の女王

 ギリシャとデンマーク、ノルウエー王家出身のフィリップと結婚していたエリザベス2世は、当時は4歳のチャールズ王子、2歳のアン王女の子育て中。さらに、戴冠の2年後には次男アンドルー王子、4年後には3男エドワード王子を授かり、4人の母親でありながら女王としての公務をこなしていきました。海外渡航も頻繁で、ナニー(乳母)に子どもを託すことも多く、「チャールズは自分のナニーに似たカミラに恋をした」といった説も聞かれます。

 女王は現在92歳。王室サイトによると、医療や福祉から科学や芸術の振興にいたるまで、女王が代表を務める団体の数だけでも600以上にのぼり、王室の誰よりも多くの公務をこなしているのだそうです。

 さて、そんなエリザベス女王のイギリス王室に嫁いできたのは、ダイアナをはじめ個性あふれる華やかな女性たち。

 伝統と格式を誇る王室の女王にとっては、現代的な女性だったダイアナ妃、王子と不倫関係にあったカミラ夫人、中流階級出身のキャサリン妃、ヘンリー王子妃となる外国籍のメ―ガンさん……など、確執や悩みが尽きなかったことは察せられるところでしょう。

英国王室の個性あふれる妃たち

 では、近年王室に嫁いだ個性あふれる妃たちの人物像やプリンスとの恋を見ていきましょう。

ダイアナ ウェールズ公妃(1961―1997年)世界に愛されたプリンセス

 英国の第1位王位継承権者ウェールズ公チャールズの最初の妃。19歳で婚約、20歳で結婚。俳優やアーティストらとの親交も深く、エイズ問題や地雷除去問題など慈善活動に取り組んだ。1996年、35歳で離婚すると、翌年パリで恋人のエジプト人富豪と共に交通事故で亡くなった。今でもBBC「偉大なイギリス人」の投票で3位など、世界で人気が高い。

生まれ:英国の名門貴族スペンサー伯爵家の令嬢。英国生まれ
結婚前の職業:保育士など
出会い:当時チャールズの恋人だった姉セーラの招きで、スペンサー家所有の別荘にて
結婚式:セント・ポール大聖堂。8メートル弱のウェディングドレスのトレーンの長さが話題に
子供:ウィリアム王子(第2位王位継承権者)
   ヘンリー王子(第6位王位継承権者)

プリンセス・オブ・ウェールズはバラの名前にも残っています (C)PIXTA
プリンセス・オブ・ウェールズはバラの名前にも残っています (C)PIXTA
カミラ チャールズ王太子妃(コーンウォール侯爵夫人)(1947―)不倫愛から王妃へ

 イギリスの第1位王位継承権者ウェールズ公チャールズの2番目の妃。1995年に最初の夫アンドルーと離婚。2005年58歳でチャールズと再婚した後も、生前のダイアナの称号であったウェールズ大公妃の称号を辞退。

生まれ:元陸軍将校でワイン商の父、男爵家出身の母。英国生まれ
出会い:チャールズの友人で近衛兵隊大尉だったアンドルーと交際中に出会う
交際:互いの結婚中も続いたとされ、ダイアナ他界後2年で公の行事に出席
結婚式:ウィンザー城ギルドホールで挙式、聖ジョージ・チャペルで参列者披露
子供:アンドルーとの間に男子一人、女子一人

 次は、エリザベス女王の孫嫁に当たり、絶大な人気を誇るキャサリン妃と、新しく王室に嫁ぐ女優メーガン・マークルさんです。