内面ブスの気持ちを静めるコツ

 自分の内面が穏やかでないことに悩む読者は多い。そんな読者の具体的な悩みを例に、気持ちを静めるコツを、僧侶の松本紹圭さんに教えてもらった。

悩むだけで行動できず、後悔して終わってしまう

 人生は思い通りには行きません。「悩んだあげくに実行しないのは、さまざまなできない理由を探して不安になっているから。そんな自分が嫌なら『人生、思い通りにいったら儲けもの』と考えて、まず行動してみて。失敗しても、今回はご縁がなかった、また別のチャレンジをしよう、と考えればいいだけです。人生は思い通りにならないのが普通ですから」。

愚痴ばかり言ってしまう

 愚痴を言うのは何より時間のムダです。「愚痴はネガティブなもので言わないほうがいいと、心のなかで本当は分かっているあなた。愚痴っても何も解決しない、ただの時間のムダと、繰り返し自分に言い聞かせてください。愚痴は時間のムダになるばかりでなく、自分の心も傷つけます」。

他人の欠点や弱点が目に付く

 その感情にとらわれず、すぐに“受け流す”のが大切。「心のなかだけで瞬間的にそう思ってしまったのなら、しょうがありません。でも、それを後へ引きずらないことが大切です。そんなふうに思った自分を後悔したり、嫌だなどと思い悩んだりするほうが問題です。その感情にとらわれてしまうと、なかなか忘れられません。ネガティブな気持ちはさっと受け流して」。

人の幸せを喜べず、人の不幸を喜んでしまう

 他人と比べない。「今までの自分」と比較を。「誰しも、他人と自分とを比べる思考回路が染みついています。『人は人』と割り切ろうとすればするほど、余計に他人が気になってしまうもの。そんなときは比較の対象を過去の自分に変えてみましょう。すると、自分が幸せになるためには何が足りないのか、これからどうすればいいのかと前向きに考えられます」。

良い人のフリをするたびに後悔

 仮面を外したときこそ、自分本来の魅力が表れます。誰しもいい人に見られたいですよね。でも実は、あなたを「いい人」と見る他者はあなたの思考の中にしか存在しません。いわば「いい人仮面」をかぶって一人相撲をしているようなもの。勇気を出して、仮面を外してください。その人の本当の魅力は、仮面を外したときに自然に表れてくるものですよ。

 次のページでは、仏教の教えに学ぶ「心を静める夜の3ステップ」と「今日からできる3つの習慣」を紹介しよう。