チームに一体感が生まれる言葉

みんなに掛ける言葉

× 分からないことがあったら、私に何でも聞いて。
○ 私だけじゃできないから。言ってくれてありがとう。

リーダーがすべての答えを持っていると思われると、メンバーは何も考えなくなる。仕事はチームでするもの。1人1人の貢献に感謝を伝えると一体感も出る。

後輩のミスを上司から指摘されたとき

× この件、後輩のAさんならできると思ったんですが。
○ 申し訳ありません。すぐ対応します。

ミスをした後輩の名前を出すことは、「私の責任ではない」と言っているのと同じ。後輩のミスも自分の責任として対応する態度が、信頼につながる。

上司に報告するとき

× 問題ありません。抜かりなく進んでいます。
○ 今、こういう状況なんですけどアドバイスをいただけませんか?

自分の上司との信頼関係をつくることは、チームのメリットにもなる。上司は部下から頼られると、自分の役目を果たせるのでうれしく感じる。時には上司に相談したり頼ったりして、いい関係を築こう。

自分がミスをしたとき

× 私の間違いでは、ないはずだけど。
○ うわっ、間違っちゃった。私、ホント、抜けてるんだよね。

リーダーが失敗や抜けを見せることで、周りも「失敗しても大丈夫なんだ」と安心する。結果的に、積極的な提案や発言が出やすくなる。

周りを遠ざける態度、無意識でしていない?

知らず知らずのうちに、こんな態度を見せていないか、冷静に振り返ってみよう。

チームの成果を自分の手柄にしてしまう

手柄を独り占めしていると、周囲からの協力を得られなくなる。自分の手柄もチームのものにする態度が、信頼を生む。

ミスを認めず「私は正しい」と思っている

この頑なな態度は「相手に勝ちたい」という競争意識から出る。けれど大切なのは、自分が勝つことではなく、チームで成果を上げることだと肝に銘じて。

自分の価値観や成功体験を押し付ける

成果を上げてきた人ほど、「この方法がベスト」と押し付けてしまいがち。仕事の進め方は人によって異なると認めて。

周囲の人たちに弱みを一切見せない

リーダーが弱みを隠して完璧でいようとすると、周りも本音のコミュニケーションができず、風通しが悪くなる。

周囲の人を成果を上げる道具にしてしまう

成果を上げることだけに注力しすぎると、「大切にされていない。私はただの道具なんだ」と相手に感じさせてしまうことが。すると相手はやる気がそがれ、自発性がなくなっていく。

この人に聞きました
守屋智敬
守屋智敬さん
リーダーシップコンサルタント
モリヤコンサルティング代表。人材コンサルティング会社で16年間にわたり、2万人以上にリーダーシップ研修を行ってきた。内面から行動を変えるアプローチを得意とする。15年に独立し、同社を設立。近著に『シンプルだけれど重要なリーダーの仕事』(かんき出版)『導く力』(KADOKAWA)。

取材・文/中村陽子

日経WOMAN2016年2月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。