達人の移動時間活用術を拝見

 営業女子のコミュニティー・営業部女子課を主宰し、全国各地を飛び回る日々を送る太田彩子さんにとって、移動時間も立派な仕事時間。朝、電車の中でiPhone片手に1日の段取りをグーグルカレンダーに打ち込んだあと、企画書の構想を練る。集中力の必要な仕事は、朝の電車の中で片づけてしまう主義。オフィスでの仕事はミーティングとパワーポイントを使った資料作成だけ。まさに、移動&すき間時間の達人だ。

朝の電車

行きの電車の40分で仕事の段取りを組み立て、その日にやるべきことをすべてリストアップ。「これやらなきゃ」と思ったことは忘れないよう、すべてiPhoneにメモ。資料作成など、机の上でなければできない仕事をピックアップしてグーグルカレンダーに打ち込み、作業時間を確保。企画書や提案書の構想は、大まかな骨組みをつくっておけば、オフィスに着いてすぐに作業に取りかかれる。これが時間内に作業を終わらせるコツ。

オフィス

デスクワークをするときは、パソコンの横に時計を置いて作業。自分に課した締め切りは何がなんでも死守する。こうして常に時間を意識することで、集中力も高まる。

パソコンの横に時計を置き、時間を意識するようにしよう (C)PIXTA
パソコンの横に時計を置き、時間を意識するようにしよう (C)PIXTA

待ち時間

待ち時間はメールのチェックや返信を。「い→いつも大変お世話になっております」「か→重ねてお礼申し上げます」など、メール作成の頻出ワードは単語帳に登録し、待ち時間や移動時間にサクサク返信。

夜の電車

自分をさらに高めるために、インプット時間もきちんと確保。次のキャリアにつながる資格の勉強をするほか、ネットでの情報収集もこの時間に行う。帰りは疲れて頭が働かないこともあるので、新幹線やホテルの予約などの出張の手配や営業部女子課の業務連絡など、ルーティン作業の時間にあてている。

この人たちに聞きました
吉山勇樹
吉山勇樹さん
ハイブリッド コンサルティング CEO
業務改善、残業削減、効率化、段取り力の研修やコンサルティングを年間200日以上手がけるほか、複数社の経営に携わる。著書に『シゴトダイエットのススメ』『残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術』(共に明日香出版社)などがある。

太田彩子
太田彩子さん
営業部女子課主宰
営業女子のためのコミュニティー「営業部女子課」を主宰する。『折れない営業女子になる7つのルール』 (かんき出版)など著書多数。

取材・文/中村陽子 写真/竹井俊晴

日経WOMAN2016年2月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。