出番が多いお気に入りの服&小物は、日頃からお手入れして長く大切に使うことで節約にもつながります。その道のプロが教える、正しいお手入れ方法を学びましょう。

洗濯のキホン

傷みも汚れも毛玉も、すべては洗い方の問題でした。「洗う&乾かす」の基本を知れば衣類が長持ち、クリーニング代の節約にも!洗濯家の中村祐一さんに、洗濯のキホンを教えてもらいました。

洗剤は最低限3本あればOK

「液体の洗剤と柔軟剤、漂白剤があればほとんどの衣類の洗濯に対応できます。その上で手持ちの衣類に合わせて、必要なアイテムを買い足しましょう」。

最低限、3本あればOK
最低限、3本あればOK

液体の洗剤:汚れを落とすには、中性洗剤よりも弱アルカリ性が◎。
液体の柔軟剤:衣類がふっくら柔らかく仕上がる。静電気を抑える効果も。
液体の漂白剤:頑固な汚れや黄ばみなどを分解。酸素系なら色物にも使える。

◆あると使える!
・汚れには粉末の洗剤
液体洗剤より洗浄力が高い。水やぬるま湯で溶かして使う。
・白い服には粉末の漂白剤
弱アルカリ性の粉末タイプなら単独でも洗剤と一緒でも使える。
・シルクやニットには中性の液体洗剤
「おしゃれ着」用の洗剤。衣類を傷めにくく、毛や絹にも使える。

納得の仕上がりにならないとき

生乾きの臭いが残る、汚れ落ちが悪いなど、洗濯の効果があまり感じられないようなら、「いつもの洗濯方法を変えてみることが大切です」。

・洗い方を変える
シワが気になるならいつもより脱水時間を短くする、傷みが気になるなら洗濯機のおしゃれ着コースを使うなど、衣類の状態に応じて洗い方を変えてみて。
・温度を変える
「水温を上げると洗剤の働きが良くなります」。洗濯機の場合は、洗浄が始まる前に一旦停止し、水温が30〜40℃になるよう、ぬるま湯を加えて。
・洗剤を替える
汚れが気になるなら粉末洗剤を使う、漂白剤に漬け置きするといった具合に、いつもの洗剤を替えてみよう。
・時間を変える
「洗う時間を延ばすと汚れ落ちが良くなります」。洗剤を溶かした水などに30分程度漬けてから洗うのもおすすめ。

アイテム別 洗濯の仕方

ウールのニット

「基本は手洗い。洗濯機で脱水するときも小さめのネットに入れましょう。衣類の繊維がこすれ合うと毛玉の原因に。ウールやカシミヤのセーターは、畳んだ状態より一回り小さなサイズの洗濯ネットに入れ、手洗いを。洗濯液の中で押し洗いとすすぎをし、ネットに入れたまま洗濯槽で10秒脱水→一時停止を2、3回繰り返して」。

小さめのネットがベスト
小さめのネットがベスト
綿のパンツ

「綿のパンツを洗濯するとき、シワシワを防ぎきちんと感を保つには、洗濯槽での脱水を30秒〜1分以内にしましょう。洗濯乾燥機なら通常の脱水後、10〜20分ほど乾燥機で乾かして。洗濯槽内で回しながら温風を当てると、シワが取れやすくなります」。

「洗える」ジャケット

「洗った後も“きちんと見え”させるコツは、肩の形に合ったハンガーに干すこと。ぴったりのハンガーがなければタオルを巻いて幅や長さを調節して。乾いたら、襟とボタン周りにアイロンをかけるのがおすすめ」。

肩の形に合ったものを選ぼう
肩の形に合ったものを選ぼう
カシミヤ

「自宅で洗える場合は手洗いが基本。洗濯ネットに入れて押し洗いした後(右上参照)、5〜10分洗剤液に漬けて。すすぎ→洗濯槽で脱水→平干しした後、スチームアイロンを浮かせてかけるとふっくら柔らかい質感がキープできます」。

1mm浮かせるのがコツ
1mm浮かせるのがコツ
機能性下着

「速乾性の高いインナーなど機能性素材は、便利な半面、繊維の中に汗ジミなどの汚れが入り込むと取れにくい。洗面器に30〜40℃のぬるま湯と洗剤を入れ、衣類を漬けて30分置いてから洗濯機で洗ってみて。それでも取れなければ、酸素系の漂白剤を使うのも手です」。

漬け置き洗いがポイント
漬け置き洗いがポイント
リネンシャツ

「柔らかな風合いが好みなら脱水はせず、タオルの間に挟んで水気を取り、ハンガーにかけて干して。パリッと仕上げるなら半乾きの状態でアイロンを。干すときは第1ボタンだけ留め、襟は立てると乾きやすいです」。

洗濯家/中村祐一さんのお手入れ法

「洋服の個性(状態)を見ながら洗濯機で洗ったり、手洗いをしたりと日々、お手入れの方法を変えます。手洗いをすると汚れやほころびに早く気づくことができ、結果的にお気に入りの服を長持ちさせることにつながります。愛着が高まり、扱いも丁寧になりますよ。」