手取り月収16万円
営業

◆H・Aさん(35歳・保険・営業・群馬県)
・税込年収:300万円
・月の平均残業時間:30時間
・収入満足度:75点
・仕事満足度:85点
・現在の会社に勤めて10年。仕事内容は、顧客に対して生命保険をはじめとする保険のプランを提案。

 群馬県にある生命保険会社で働くH・Aさん。「仕事は保険のセールス。完全歩合制で頑張った分が給与に反映されるのはいいが、反対に保険の中途解約があると一気に月給が下がってしまう」。

 交通費は支給額よりも3倍以上かかっている。10年間続けてきた分、仕事への思いは強く「管理職を目指して、新人を教育するような立場になりたい」という目標も持っている。

◆専門家の診断&お給料アップアドバイス
今の仕事を継続するのが正解

「現在の年収は生保の営業としては悪くない。10年続けたのなら得意客もいるはず。年収は希望ほど上がらないかもしれませんが、管理職への挑戦も1つのキャリアアップです」(木下さん)


手取り月収25万円
看護師

◆U・Mさん(30歳・医療・看護師・広島県)
・税込年収:495万円
・月の平均残業時間:40〜60時間
・収入満足度:60点
・仕事満足度:70点
・新卒で入社して5年間勤務した病院を退職。現在の病院に勤めてから5年目。

 広島県にある現在の病院に転職して5年目のU・Mさんは、昨年の12月に主任に昇進。月10万円の手当が付くようになったのだが、実質的な手取りは減ってしまった。「今までは夜勤1回で1万6000円+残業代+皆勤手当で月10万円以上あった。ところが主任になったら手当がなくなり、仕事量だけ増えています」。

◆専門家の診断&お給料アップアドバイス
ブラック病院かも? 病院側と交渉して

「年収は平均的な金額ですが、夜勤手当も含めての残業代については、就業規則を確認してみては。手当を超える部分は働くのが難しいと交渉もOK」(木下さん)

この人たちに聞きました
木下 学
木下 学さん
DODA編集長
新卒で人材サービス会社インテリジェンスに入社。事務派遣領域の法人営業、人事部を経て現職。雇用の専門家として、求人動向などさまざまな情報に精通する。

河内よしい
河内よしいさん
特定社会保険労務士・FP
企業の人事・総務、役員秘書を経験後、01年に河内社会保険労務士事務所を設立、所長に就任。著書に『40歳から考えるセカンドライフマニュアル』(共著、労働新聞社)などがある。

取材・文/田中祥子、岡本藍

日経WOMAN2015年8月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。