10年後に「なくなる仕事」「残る仕事」はこれだ

 オズボーン准教授が各職種の労働関連のデータに基づいて試算したところ、医師や小学校の先生は残るが、電話営業やタクシー運転手などは人工知能に代替されるという結果になった。

※英オックスフォード大学、マイケル・A・オズボーン准教授の論文「未来の雇用」で示された職種から抜粋
※英オックスフォード大学、マイケル・A・オズボーン准教授の論文「未来の雇用」で示された職種から抜粋

アメリカ労働省のデータに基づいて、702職種が人工知能に置き換えられるかを試算した結果を抜粋。右が90%以上の確率で生き残る仕事、左がなくなる仕事。前者に比べ、後者は既に機械化が進んでいる仕事が目立つ。

10年後の日本はこうなる

1.超高齢化社会で人材不足が顕著に

超高齢化社会で、15〜65歳の労働人口は減るだけでなく、介護による離職者も増える見込み。介護離職をしなくてもすむように、「企業側の対応が不可欠です」。

2.機械による代替が始まる

「人工知能までいかなくても、機械化は確実に進みます。サービス業を中心に、人でなければならない仕事か、他者にはないスキルを持つ“タレント”人材にならないと厳しいでしょう」。

3.医療・福祉現場で労働環境が改善か

人手不足が深刻化する医療・福祉業界では、人工知能による代替は進まない。人材を集めるために、給与を上げるなど、働きやすい環境づくりを工夫するはず。

この人に聞きました
中村天江
中村天江さん
リクルートワークス研究所 労働政策センター長
東京大学数理科学研究科修士課程修了。99年リクルート入社。就職・転職・キャリア支援のサービス企画を経て、09年リクルートワークス研究所に研究員として異動。就業構造や労働移動について主に研究している。

取材・文/岡本藍

日経WOMAN2015年8月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。