理想は社長に覚えてもらうこと
5.社内の人脈をつくる

 「会社員にとって収入アップは、出世ともリンクする。自分を引き上げてくれる人が誰かを見極めることも大切」(俣野)。理想は社長に「良い人材だ」と覚えてもらうこと。とはいえそれが難しいなら、「エース社員の仕事ぶりをまねしてみよう。結果を出しているエース社員と知り合いになって、仕事術を素直に教えてもらうのもいい。社内の人脈も得られるし、仕事のやり方も学べる。得るものは大きい」(土井)。


面談の手を抜いてはいけない
6.自分の仕事ぶりを社内外でアピール!

 人事考課の面接で提出する「面談シート」。特に書くことがないとスカスカで提出していないだろうか?「これは非常にもったいない」(山崎)。自分の仕事の成果は自分で発信しないと、周囲は気づいてくれない。アピールすることは大切。「ビジネス向けSNS、リンクトインに自分の経歴や実績を書いて社外に発信して転職し、今では年収数千万円という人もいます」(土井)。


自分の市場価値を調べて現職での交渉材料に
7.給料を交渉する

 成果は挙げているのに評価が低いままで給料も上がらないなら、給料が妥当なのか調べよう。「転職情報サイトをチェックしたり、転職エージェントに登録したりして、転職した際にもらえる年収を調べる。提示された年収が現在より高ければ、人事考課の面接のときに上司に直談判してみる余地はありますよ」(俣野)。転職に関してはこちらも参照してほしい。


株や投資信託などに投資することで収入アップ
番外編 お金に働いてもらおう!

 「収入アップを考えたとき、残業をして収入を増やそうとする人は少なくありません。ですが、それでは疲れてしまい仕事の効率も下がる。お薦めは投資です。お金に働いてもらえば、労働時間は変えずに収入アップも狙える」(俣野)。そのためには投資の勉強は必要。

この人たちに聞きました
土井英司
土井英司さん
出版コンサルタント・ビジネス書評家
出版社勤務を経てAmazon.co.jpの立ち上げに参画。27歳で同社の「Company Award」を受賞。30歳でエリエス・ブック・コンサルティングを設立。メルマガ「ビジネスブックマラソン」編集長。『20代で人生の年収は9割決まる』(大和書房)など著書多数。

花田光世
花田光世さん
慶応義塾大学名誉教授
慶応義塾大学文学部心理学科卒業。南カリフォルニア大学大学院で社会学博士号を取得。専門は人的資源開発論・キャリア論。著書に『「働く居場所」の作り方』(日本経済新聞出版社)など。

山崎俊輔
山崎俊輔さん
投資教育家
中央大学法学部卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。著書に『20代から読んでおきたい「お金のトリセツ」!』(日本経済新聞出版社)など。

俣野成敏
俣野成敏さん
プロ研 代表・ビジネス書作家・投資家・ビジネスオーナー
シチズン時計でメーカー直販在庫処分店を社内起業。33歳でグループ約130社の現役最年少役員。その後セミナーなどを行う「プロ研」を設立。近書『プロフェッショナルサラリーマン』(小学館文庫)。

取材・文/田中祥子

日経WOMAN2015年8月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。