受け身の仕事はしない

 大企業ではなくベンチャー企業で働いてきたことも、強みになった。「制度やシステムをゼロから作る機会が多かったので、新しい職場でも、採用システムや健康診断などの新施策の導入に携わった」。この取り組みが評価され、入社2年後には後輩の指導をする人事部の主任に。主任手当も月2万円付いた。

 受け身の仕事をしない、活発に動く「攻めの人事」になるのがモットー。社内SNSで上がってくる300人近い社員の書き込みを毎日読み込む。内容が気になった人には声を掛けに行く。「いい技術者の採用ができない」という声を聞き、社内のIT技術者と社外の転職希望者との懇親の場をつくり、新たな採用ルートを構築した。

 育児中の女性が働き続けやすい会社になるべきという課題を見つければ、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」と認定する「くるみんマーク」の取得を思いつき、自分で申請書類を準備。取得にこぎ着けた。

 15年には6人のスタッフをまとめる課長職へ昇進。手当が月1万円アップし、年収は480万円まで増えた。

収入アップした3つの理由

1.ベンチャー企業に就職して経験を積んだ。
2.社内のいろいろな人と交流を持った。
3.社内の課題を見つけ、解消するために行動した。

バッグは毎日替える
バッグは毎日替える
勤め先はカジュアルウエアでOKの職場。バッグは洋服に合わせて毎日替える
仕事に必要な勉強に挑戦中
仕事に必要な勉強に挑戦中
社員のメンタルヘルス対策も人事の必須課題。昼に「メンタルヘルス・マネジメント検定」の勉強をする

取材・文/工藤花衣、中城邦子、若尾礼子

日経WOMAN2015年8月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。