バスタイムと寝る前に

脱力顔呼吸  お風呂で心の仮面を取る!

心のストレスに気づかないふりをして、「疲れていないこと」にしている人は多い。そんな人の顔は、まるで仮面をつけたように固まっている。お風呂の中で心の仮面を外し、リセットしよう。

【1】湯船につかりゆっくり首を回す
【1】湯船につかりゆっくり首を回す
お湯の中でリラックスして、左右2〜3回ずつ首を回す。「気持ちいい」「伸びている」など、首の感覚に注目しながら“ゆっくり呼吸”を意識する。
【2】口が半開きになり、あごの重さを感じる
【2】口が半開きになり、あごの重さを感じる
顔の力が抜けてくると歯の食いしばりがなくなり、あごの重さを感じられるように。最後は、口を半開きにして「ア〜」と声を出しながらゆっくり呼吸を行う。


10カウント呼吸  ベッドで心をリセット!

就寝前に、頭の中を空っぽにして呼吸を数えるだけ。簡単そうに思えるが、ほかのことに気を取られず、ただカウントにだけ集中するのは至難の業。シンプルだがそれだけに、心のリセット効果は大きい。

1から10まで布団の中で呼吸の数を数える
1から10まで布団の中で呼吸の数を数える
考え事をせず、呼吸の数を10までカウントすることだけに集中。途中で頭の中に何か浮かんできたら1から数え直し。最大で3回まで繰り返す。

お疲れタイプ別 <呼吸メソッド>

お疲れパターンに合わせて、呼吸を意識してカラダを動かそう。回数は無理のない程度で留めてOK!

「よっしゃ! 呼吸」…10回

◆モヤモヤ、うつうつグセの人に
沈んだ気持ちから抜け出せないときは、全身に力を入れ、気分転換のスイッチをオンに。緊張によるこわばりでなく、前向きな力の込め方をすることで気分が切り替わる。最後は伸びをして、気持ちまで明るく!

【1】全身に力を入れて声を出す
【1】全身に力を入れて声を出す
両手でコブシをつくり、全身に力を込めながら「よし!」と息を吐きながら声を出す。体勢や言葉にこだわらず、気合が入りそうな方法で行えばOK。
【2】上を向いてグーッと伸びをする
【2】上を向いてグーッと伸びをする
腕を上に伸ばして指を組み、手のひらを天井に向けて上半身全体を引っ張り上げるように、息を吸いながら伸びをする。顔を上に向け、胸も開くように意識。
「ゆっくり呼吸歩き」…10歩×3回

◆不安グセの人に
「自分の足でしっかり歩いている」というカラダの実感があれば、不安は解消されるもの。ゆっくりした呼吸とともに、カラダの重みを感じながら1歩ずつ踏み締めるように足を運ぼう。自分への信頼感を取り戻せる。

足裏に伝わる重みを感じながら歩く
足裏に伝わる重みを感じながら歩く
息を吸いながら片足を持ち上げ、1歩踏み出してかかとから床に下ろす。息を吐きながら下ろした足に体重を乗せて10歩進む。
「ひとり壁ドン呼吸」…10回

◆イライラグセの人に
イライラしているときのカラダは、前のめりの姿勢になっている。そんなときは、背中を壁につけて、ニュートラルな姿勢を思い出させよう。心のざわつきが静まる上に、自身の前のめり具合を実感する機会にも。

【1】壁とカラダのすき間をなくすように立つ
【1】壁とカラダのすき間をなくすように立つ
背中と頭を壁につけて立ち、手を上げて肘から指先にかけて壁に沿わせる。腰と壁とのすき間をなくすように押しつけ、息を吸い込む。
【2】膝を曲げて体を沈めていく
【2】膝を曲げて体を沈めていく
息を吐きながら、膝を少しずつ曲げていく。背中や頭を壁につけたままカラダを下ろしていき、吐き切ったところで、吸いながら膝を伸ばす。10回行う。

この人に聞きました
山口光國
山口光國さん
セラ・ラボ代表
理学療法士。群馬パース大学客員教授。昭和大学藤が丘リハビリテーション病院、横浜ベイスターズフィジカルコーチを経て、ココロとカラダのコンディショニングルーム セラ・ラボを開院。心と体を両面からケアし、健やかな生活を送るアドバイスを行う

取材・文/西門和美、イラスト/小松容子

日経WOMAN2015年3月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。