「贈与税」にまつわる Q&A

Q お小遣いや生活費をもらっても「贈与」になる?

A 子どもへの支援は贈与に当たらないことも多い!
お金をもらうことがすべて贈与扱いになるわけではない。「結婚式のお祝いや生活費の援助、学費の支払いなどは基本的には非課税。親が子どもを支援する上で不可欠なお金については、贈与と見なされないことが多いです」

Q 贈与を受けたかどうか、税務署はどう判断するの?

A 預金の残高など個人のお金の動きを税務署がチェック
預金残高に大きな変化があると、税務署から金融機関に問い合わせが行くことが。また、「相続発生前のお金の動きは税務署が調査していることが多い」とも。“うっかり脱税”を防ぐためにも、基礎知識はしっかり頭に入れておこう

Q 知人や友人からお金をもらった場合も対象になる?

A お金をくれる相手に関係なく、合計の金額で贈与税が決まる
相続とは異なり、贈与税は知人などからお金を受け取った場合でも、合計で110万円を超えた金額に税金がかかる。「親から100万円、知人から100万円もらった場合には、90万円分に対して贈与税がかかります」(梅田さん)


家族間の「借金トラブル」に要注意

私にお金を借りながら贅沢三昧の父が許せない!
(32歳・サービス・事務)

 24歳のとき、離れて暮らす父から「新車を買うために、自分の代わりに300万円のローンを組んでくれないか」と頭を下げられました。そのときは「毎月必ず、ローン返済分のお金を渡すから」との約束でしたが、お金が返ってきたのは最初の1回だけ。その後も「生活が苦しい」と泣きつかれては50万円ずつ渡したものの、返済する気配はゼロ。現段階で合計500万円ほど貸しています。しかも父、私よりも贅沢な暮らしをしている様子! 心底腹が立っています。

父のサラ金返済のために家族の貯金がゼロに…
(33歳・サービス・営業)

 メーカーで営業職をしていた父。私が20歳のとき、売り上げ成績をよく見せかけるためにサラ金からお金を借りていたことが発覚! その返済のために、私を含めた家族の預貯金を勝手に切り崩していました。その後、父は行方をくらましたため、借金の取り立ての電話がかかってきて、家族中が大混乱に。現在は私が実家の家賃を負担していますが、貯蓄もないし、苦しい生活が続いています。せめて私の貯蓄分だけでも返してほしいのですが…。

お金を貸すときには「借用書」を残して
「家族であっても、お金を渡すときには『あげる』のか『貸す』のかを明確に示すことが不可欠です。その上で、のちのち返済してほしい場合は借用書を残して。貸した金額と時期を明記し、印鑑を押す。借用書がない限り、返済を求めるのは難しいと思います」
この人に聞きました
梅田泰宏
梅田泰宏さん
公認会計士・税理士
梅田公認会計士事務所代表。社会保険労務士、司法書士とともに「キャッスルロック・パートナーズ」を設立し、財務指導から税務までをサポート。著書に『親子で読む 絶対もめない! 相続・生前贈与』(実業之日本社)など

取材・文/西山美紀、写真/PIXTA

日経WOMAN2015年3月号掲載記事を転載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります