「野菜に加えて、肉や魚などのおかずを食べ始めて5分以上開けてからご飯を食べ始めれば、血糖上昇を抑える効果はある程度期待できる」と、関西電力医学部研究所副所長の矢部大介さん。今回は、糖質をあと回しにするときに気をつけたい6つのポイントをご紹介します。

 『「肉や魚を先に摂取」でもOK 太りにくい食べ方とは』で紹介した、野菜に加えて、肉や魚などのおかずを食べ始めて5分以上開けてからご飯を食べ始める「糖質5分あとまわしダイエット」。

 「野菜を先に食べると、野菜の食物繊維が小腸で糖や脂質の吸収を抑え、血糖値を上げにくくすると考えられています。一方、肉や魚を先に食べることが血糖値を上げにくくする作用は野菜とはまったく異なります。だから、野菜と肉や魚を組み合わせれば、相乗効果が期待できる可能性があります」(関西電力医学部研究所副所長の矢部大介さん)。

 研究では、ご飯を先に食べた場合に比べて、胃の動きが緩やかになり、食べ物が胃から小腸へ移動する時間が2倍以上遅れたという。「インクレチンには、GLP-1とGIPというホルモンがあり、胃の動きが緩やかになるのは、GLP-1の働き。肉や魚を先に食べると、ご飯を先に食べた場合よりもGLP-1が増えます」(矢部さん)。胃の動きが緩やかになると、小腸からの糖の吸収も緩やかになる。その結果、食後の血糖値の急上昇が抑えられるわけだ。

 ただし、「魚と比べて、肉を先に食べた場合、もう一つのインクレチンであるGIPも増えます。これは肉に含まれる飽和脂肪酸によるものと考えられますが、こうした脂質とあいまってGIPは体脂肪を増やしてしまう可能性が示されています。したがって、肉よりも魚を多めにしてほしいですね」と矢部さんは話す。

 基本ポイントを押さえたら、「野菜をしっかり食べるとともに、魚をご飯に先んじて食べることが大切」(矢部さん)。

基本のポイント

ポイント1 野菜や肉・魚を食べ始めて5分以上たってからご飯を食べる

おかずだけを食べる。5分たったらご飯を食べ始め、交互に食べてよし

「当初15分後にご飯を食べてもらいましたが、最近の研究では5分でも胃の動きがある程度緩やかになるようです。最低5分を目安にするとよいでしょう」と矢部さん。

ポイント2 できれば、肉より魚の頻度を多めに

魚>肉

肉を先に食べると、GIPというインクレチンが増えた。「魚では、GIPがあまり増えません。肉料理が好きな人は魚を心がけるとよいでしょう」(矢部さん)。

ポイント3 ゆっくりよく噛んで食べる

写真/PIXTA
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人によっては5分でおかずをすべて食べてしまう人も。よくかみながら、少しゆっくりめに食べよう。