お茶が糖化たるみに効く仕組み

糖化予防の基本は、「血糖値の急上昇」と「高血糖状態」を避けること。お茶を飲むだけで、どちらも防ぐことができる。

1. 食事でとった糖とたんぱく質で、糖化反応が起こる

体の細胞や組織を作るたんぱく質に、食事でとった過剰な糖が結びつく。体温によって熱せられることで、糖化反応が起きる。

お茶の作用 血糖値上昇を防ぎ糖化反応を抑える

糖化は、AGEsを多く含む食事をとることのほか、血糖値の急上昇や高血糖が長く続く生活習慣などによって進む。糖化を予防するには、“高血糖状態に陥らないこと”が最優先課題だ。「高濃度の茶カテキン類には血糖値上昇をゆるやかにする働きがある。そのため濃くいれた緑茶を飲めば、糖化反応を抑えられる可能性が」(山岸教授)。

2. たんぱく質が劣化し、くすみやシワの原因に

高血糖状態に長時間さらされ続けるとたんぱく質に糖が結合しやすくなりどんどん劣化。肌にもくすみ、シワなど老化の影響が及ぶ。

お茶の作用 糖とたんぱく質の結合を抑えくすみやシワを防ぐ

糖質のとりすぎによって血液中の余分な糖がたんぱく質と結合。するとたんぱく質の形がゆがみ、そこに糖が雪だるま式に付着して糖化が進む。「試験管内の実験で、高濃度の茶カテキン類が糖とたんぱく質の結合を抑えることがわかっている。濃い緑茶を飲めば人の体でも同様の作用が起こる可能性がある」(山岸教授)。

3. AGEsができてたまることで、弾力が低下したるむ

糖化が進んで元に戻れなくなったたんぱく質がAGEs。たまることで肌の弾力性や柔軟性が失われ、たるみが目立つように。

お茶の作用 AGEsの蓄積を防いでたるみを防ぐ

糖化の初期段階なら、糖の濃度が下がるとたんぱく質は正常な状態に戻るが、元に戻れないほど反応が進むとAGEsになる。AGEsはコラーゲン内に架橋を作り、肌は弾力を失ってたるむ。「茶カテキン類には、連鎖反応的に糖化が起きるのを抑制する作用もある。緑茶を日常的に摂取するとAGEsの蓄積をある程度抑えられる可能性が」(山岸教授)。

糖化してハリ、弾力の落ちた肌
糖化してハリ、弾力の落ちた肌
糖化していない肌
糖化していない肌
糖化してハリ、弾力の落ちた肌

コラーゲンなどが糖化して真皮層に蓄積したAGEsが、コラーゲン線維と線維の間に「架橋物質」を作る。すると、線維と線維の間が固定されて肌の弾力性が損なわれる。皮下脂肪の重みに耐え切れなくなり、たるみが生じる。

糖化していない肌

肌のハリや弾力を生む源は、表皮を下支えする、コラーゲン線維などでできた構造。コラーゲン線維3本がコイルのように巻きついた束状の「三重らせん構造」で、糖化していない肌は線維がきれいに並んでしなやかな状態。