白髪

白髪は抜かずにカットを

 白髪の原因は色素を作るメラノサイト(色素細胞)の機能の低下と、メラノサイトを供給する色素幹細胞の枯渇にあることが解明されているが、治療法はまだ研究段階というのが現状。「ホップエキスなど、毛髪のメラニン色素の生成を促す成分はあるようだ」(ヘッドセラピストの平瀬貴文さん)。なお、「白髪は抜いても増えないが、抜き続けると毛根が消失し、新たに生えてこなくなり、髪のボリュームダウンにつながりかねない」(東京国際クリニックの峯岸祐之医師)。

薄毛

「抗酸化ケア」がカギ

 「紫外線だけでなく大気汚染、過度の洗髪や過剰な皮脂などのさまざまなストレスで活性酸素が発生。活性酸素を消去する力が弱まると、頭皮の弾力性の低下や薄毛につながる可能性が高い」(ファンケル総合研究所の松熊祥子さん)。保湿効果のある育毛剤や頭皮用美容液などで潤いを保ち、外出時は帽子や日傘などで紫外線対策を。

活性酸素を消去するたんぱく質が多い頭皮は平均毛髪数が多い
(データ:ファンケル)
(データ:ファンケル)

 40代以上の女性を対象とした調査で、活性酸素を消去するたんぱく質「DJ-1」の量が頭皮の角層中に多いほど、平均毛髪数が多いことが明らかに。抗酸化力が頭皮の育毛環境の維持にかかわる。

うねり毛

簡単ハンドブローテクでまとまり感アップ!

 「うねり毛は根元をしっかり立たせることでまとまりやすくなる。髪は一度温まって冷めるときに形状記憶されるので、立たせた根元にドライヤーの温風を当てたら、そのまま一旦冷まして」(平瀬さん)。毛先は毛束をまとめてねじるようにして同様に。

【1】根元を立たせて温風→冷ます
写真提供/平瀬貴文さん
写真提供/平瀬貴文さん

 トップの根元を立たせながらドライヤーを左右に振って温風を当てた後、そのままの状態でドライヤーをはずして熱を冷ます。

【2】毛束をねじって温風→冷ます
写真提供/平瀬貴文さん
写真提供/平瀬貴文さん

 毛束を少しとって軽くねじり、ドライヤーの温風を当てる。そのままの状態でドライヤーをはずして熱を冷まし、手で毛流れを整える。

この人たちに聞きました
菅野麻衣
菅野麻衣さん
イーラル 営業部 教育グループ リーダー
ヘッドスパプログラムや商品を美容室に提供する頭皮と髪のエイジングブランド「イーラル」の技術インストラクター。全国の美容師に理論やマッサージ技術の教育を行う。

平瀬貴文
平瀬貴文さん
ヘッドセラピスト
ヘアサロン「Aio-N GINZA」と「銀座美院」(東京・銀座)で頭皮と毛髪ケアの専門家として活躍。大手美容メーカーの商品開発などにも携わる。著書に『モコモコあわくん~あたまの洗い方~』(えほんの杜)など。

峯岸祐之
峯岸祐之医師
東京国際クリニック形成外科医
東京大学附属病院形成外科を経て、大手美容クリニックで指導医兼医療植毛部長を務める。発毛・植毛の治療に加え、日本毛髪臨床学会評議員として薄毛に対する再生医療分野の研究を行う。

松熊祥子
松熊祥子さん
ファンケル 総合研究所 副所長 兼ビューティサイエンス研究センター長
「無添加」から始まったファンケルならではの視点で、内外からのストレスにより引き起こされる肌の老化メカニズムの研究や、角層たんぱく質から肌特徴を解析する「角層バイオマーカー」の開発などを進めている。

取材・文/やまきひろみ 写真/青柳理都子 ヘア&メイク/依田陽子 モデル/村上シェリー 図版/三弓素青

日経ヘルス2017年7月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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