野菜をたっぷりとっているはずなのに、お通じが滞り気味――。そんなあなたにおすすめなのが、「オイルおにぎり」。難消化性でんぷん+オイルの力でお腹がスッキリします!

 野菜を多く食べるようにしているのになぜか便秘気味─。ダイエット中の人に多いのがこんな悩み。ダイエットはしたいけど、便秘も気になるという人は、まず昼食に「オイルおにぎり」を試してほしい。下腹をすっきりさせる要素がいっぱいだ。

 まず一つは難消化性でんぷん。「ご飯中のでんぷんは、冷えると一部が消化されにくい形に変化する。これが大腸まで届くと、水溶性食物繊維のように腸内細菌の餌になる」と静岡大学の森田達也教授。この難消化性でんぷんは、ゆっくり冷えるほど多くできるという。水分を抱え込んで大腸まで届けるから、便のカサも増えやすくなる。

 一食分に大さじ1杯以上のオイルを加えることで便の滑りも良くなる。オリーブオイルを短時間に比較的多くとると、オレイン酸が大腸まで届き、腸を刺激する働きもある。ココナツオイルを使えば、難消化性でんぷんが多くできるメリットも。

基本のオイルおにぎり

1.水溶性・不溶性両方の食物繊維が豊富【大麦ご飯】

 大麦は穀類の中でも食物繊維量が多く、押し麦なら100g中9.6gが食物繊維。不溶性食物繊維(3.6g)だけでなく、βグルカンなどの水溶性食物繊維(6g)が豊富で、消化吸収がゆるやかなのも特徴。

2.冷めることででんぷんが食物繊維状に【白米】

 炊飯により、米のでんぷんは分解されて消化されやすくなるが、その後ゆっくりと冷ますと、その過程で一部のでんぷんに構造変化が起こり、消化酵素で分解・吸収できない「難消化性でんぷん」が増える。

3.不溶性の食物繊維が多い【雑穀米】

 ヒエ、アワ、キビ、キヌア、アマランサスなど、雑穀の食物繊維量は玄米以上。さまざまなミネラルやポリフェノールなどの抗酸化成分も豊富。味や色合いなど好みに合わせた雑穀を選ぶのもいい。

4.繊維やミネラルが豊富【玄米】

 ぬかや胚芽が残り、100g中の食物繊維量は1.4gと、精白米(0.3g)の約5倍。糖質や脂質などの代謝に必要なビタミンB群や、ミネラルも豊富。ただし、消化しにくいのでひどい便秘の人には向かない。

オイルおにぎりでするっと出る2大理由

1.便のカサを増す難消化性でんぷんが多い

 炊いたご飯をゆっくりと冷やすと、消化吸収されずに大腸まで届く「難消化性でんぷん」が増える。これは不溶性食物繊維同様に便のカサとなり、水溶性食物繊維のように腸内細菌の餌にもなる。

2.オイルの力で便の滑りが良くなる

 一度に大さじ1〜2という多めのオイルをとると、油を消化するための胆汁酸の分泌が間に合わず、大腸までオイルが届いて、便の滑りを良くする。オイルの種類によっては、腸を刺激するものも。

ご飯を冷やすと難消化性でんぷんが増える
ご飯を冷やすと難消化性でんぷんが増える
ジャスミンライス、長粒種、中粒種、短粒種(日本のうるち米など)の4種類の白米を炊飯器で炊き、4度で3日間保存し、炊飯直後と冷蔵保存後の難消化性でんぷんの量を測定した。結果、ジャスミンライス以外の米の難消化性でんぷんは冷蔵保存後に約2倍に増えた (データ: Asia.Pac.J.Clin.Nutr;22,3,372-379,2013)