【1】ビタミンB1

小腸にある免疫の情報収集基地をスムーズに稼働させるのに不可欠。不足すると、病気に抵抗する「抗体」を作る力が低下する。炭水化物やお酒をよくとるという人は不足しがちだ。

1日にとりたい量は1.1mg。豚肉なら約85g、ノリなら約93g

 体の中でも最大の免疫器官といわれる腸。「中でも重要な組織の一つが、全身から免疫細胞が集まってくるパイエル板だ。小腸の中を物が通ると腸管上皮にある細胞がその一部を取り込んで、パイエル板で待つ免疫細胞に情報を伝える。この情報が病原体に抵抗するための抗体を作るのに必要となる」と、医薬基盤・健康・栄養研究所の國澤純さんは説明する。「この抗体を作る過程でビタミンB1が不足すると、パイエル板が小さくなり、抗体産生に必要な免疫細胞の数が減ってしまうことがわかってきた」(國澤さん)。

 ビタミンB1は糖質などの栄養素の代謝に使われる。炭水化物ばかりとるなど栄養が偏っていたり、お酒をたくさん飲む人は不足しがち。豚肉やノリなどで毎日多めにとっておきたい。

ビタミンB1は豚肉や海藻に多く含まれる
ビタミンB1は豚肉や海藻に多く含まれる
(データ:日本食品標準成分表2015年版から抜粋)