実は、一般企業での経験を生かせる「中学校教諭」の仕事

どんな仕事?

 国語、英語、数学など、特定の専門教科を中学生・高校生に教える仕事です。授業以外にもクラス担任として生活面や進路の指導を行うほか、クラブ活動・学校行事・PTAなど学外の教育現場でも活躍します。

子育て中の働き方

 体育祭や文化祭、生徒指導を教師主導で行う中学校教諭は、高校教諭に比べて多忙になりがち。育児中の女性にとっては両立が難しい仕事です。しかし最近は女性の教頭や校長が増えて男女平等な職場づくりが進んでいます。

向いている人

 多忙をきわめる職業なので、本気で教育に携わりたい人でないと難しいかもしれません。学科の指導力のほか、多感な時期の生徒の気持ちを汲むことができる想像力、トラブル適応力なども必須。

 実は一般企業からの転職者が歓迎されています。それは「社会に出ていく子どもたちに、世の中の仕組みをちゃんと教えられるから」。社会人経験後に転職する人は志気が高く、夢や抱負を胸に覚悟を決めている人がほとんど。今回のMさんのように、通信講座や社会人向けの大学などを利用して転職しやすいのも特徴の一つです。

どうやったらなれるのか

 大学の教員養成課程などを修了し、教員採用試験に合格すると、中学校教諭になれる。子育て中で放課後に長時間の勤務が難しい場合は、活動時間の短い部活動の顧問や、体育会系の部活動の第3顧問(直接的には指導しない顧問)にしてもらうことができます。

●仕事の基本データ
資格:中学校教諭 1種(大卒程度)、2種(短大卒程度)、専修(大学院修士課程修了程度)免許状(国家資格)
勤務場所:公立、私立の学校
勤務時間:1日11時間程度。持ち帰りも多い
休日:基本的に土日祝日。休日出勤も多い
勤務形態:公立中学なら公務員。私立中学なら正社員
給料:月収22万円程度から

※『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(光文社刊)より抜粋

文・写真/華井由利奈 イラスト/PIXTA