列方向の入れ替えもOK、ただしNGな場所に注意

 ドラッグ操作によるセル範囲の入れ替えは、行方向だけでなく、列方向でも可能だ。選択範囲の外枠を真横にドラッグして「Shift」キーを押すと、「H」形を横にしたような「I」形が現れる(図4)。これが列方向に移動・挿入する位置を表している。基本的な操作は行方向での移動・挿入と同じだ。

列方向の入れ替えも「Shift」とドラッグで
列方向の入れ替えも「Shift」とドラッグで
図4 左右を入れ替えるときも要領は同じ。選択範囲の外枠を真横にドラッグすれば、ブロック単位で移動・挿入できる(1~3)。挿入先には「H」形とよく似た「I」形が現れる

 入れ替えではなく任意の位置に移動・挿入することも可能だ。例えば図5のような場合、移動先のセル範囲が下へシフト(移動)し、選択範囲があった列でシフトは起こらない。

任意の位置への挿入も可能
任意の位置への挿入も可能
図5 基本は「挿入して移動」する動作なので、同じ行や列の中での入れ替えだけでなく、任意の位置に挿入することもできる(1~3)。その際、元のセル範囲は空白になる

 任意の位置に移動・挿入する際は、ドラッグ先に注意しよう。場所によっては、「H」形や「I」形が現れないことがある。基本的に真上や真下もしくは真横にドラッグした場合なら問題はない。しかし、元の選択範囲と一部の行や列が重なる位置では「H」形や「I」形が現れない。その位置に移動・挿入すると、シフトによる行や列の整合性が取れなくなるためだ。移動・挿入する先は、真上や真下もしくは真横に動かすか、元の選択範囲に全く影響しない場所に持っていくようにしよう。

「Ctrl」でコピー、「Alt」でシート切り替え

 普通に選択範囲の外枠をドラッグすると移動になる(図6)。また、「Ctrl」キーを押しながらドラッグすると、コピーされる(図7)。「Shift」キーとの併用も可能で、「Ctrl」+「Shift」+ドラッグなら、選択範囲がコピーされた上で挿入される。

ドラッグのみは「移動」
ドラッグのみは「移動」
図6 「Shift」キーを押さずに選択範囲の外枠をドラッグした場合は、データが移動する(1、2)。元のセル範囲は空白となり、移動先にデータがある場合は上書きされる
「Ctrl」を押しながらドラッグすると「コピー」
「Ctrl」を押しながらドラッグすると「コピー」
図7 「Ctrl」キーを押しながらドラッグすると、データのコピーになる(1、2)。元のセル範囲のデータはそのまま残る。コピー先のセルにデータがある場合は、上書きされる

 「Ctrl」キーも「Shift」キーと同様、マウスボタンを離す時に押していればよい。ドラッグ中にそれらのキーを押したり離したりすることで、処理方法を随時切り替えられる。

 「Alt」キーを使うと、シートの切り替えも可能だ。選択範囲の外枠をドラッグ中に「Alt」キーを押すと、シートタブの上に重ねることでシートを切り替えられる(図8)。なお、「Alt」キーなしでシートタブ上にドラッグしようとしても、画面が果てしなくスクロールするだけなので注意しよう。

「Alt」キーを押すとシート切り替え
「Alt」キーを押すとシート切り替え
図8 「Alt」キーの使い方も押さえておこう。選択範囲の外枠をドラッグ中に「Alt」キーを押すと、シートタブの上へドラッグしてシートを切り替えられる。ドラッグ操作の最中にシートを切り替えてセルの移動やコピーが可能だ(1~6)

 シートが切り替わったら、「Alt」キーを離す。その後は、そのシート上でドラッグ操作を続行できるので、「Ctrl」キーや「Shift」キーなどを組み合わせて移動・挿入・コピーを行えばよい。

文/日経PC21編集部

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