「定番色=誰にでも似合うはず」のワナ
――ベーシックカラーというと、メイク用品ではベージュ~茶系のアイシャドウが、誰にでも似合う定番品だとよく言われますよね。定番色よりも、自分のパーソナルカラーをつけるべきでしょうか?
矢吹:定番色といっても、万人に向く色ではありません。肌がブルーベースの人は、顔色がくすみやすく、茶色いクマが出やすいということが多いです。ですので、ブラウン系のシャドウを使うと逆効果で、より顔色がくすんで見えてしまいます。ブルーベースの人の解決色は、透明感のあるラベンダー系や薄いピンクのアイシャドウですね。
私はイエローベースで肌の色がクリーム色なのですが、目の下に青いクマが出やすい傾向があります。そこに青いアイシャドウをつけると、反射によってクマがより青く見えてしまいます。なので、私の場合、肌色をきれいに見せるために青を補色できるような、オレンジ系のアイシャドウを使うことが多いです。
自分でカラー診断をするときはノーメイク、そして自然光の入る場所で布を当ててみてください。そうすると、自分の気になる肌の色ムラが分かります。自分の色ムラを補正してくれる補色はテキストでも解説しています。
「自分のパーソナルカラーは好みじゃない」というときは?
矢吹:だけど人は隣の芝が青いもので、自分のパーソナルカラー、自分の似合う色が必ずしも好きではないというケースもありますね。
スプリングの人は、柔らかい色が似合いますが、それが好きな色でなければサマーの色を着てしまうんですね。
オータムの人はウィンターの色を好みがち。そんな人に「どういうことでお悩みですか?」とカウンセリングでお聞きすると、「第一印象で怖い、話しかけづらいと思われてしまう」とお答えになります。本来、暖かい色が似合う人が、「自分は重たい色が好きだな」という感覚でウィンターの色を選んでしまい、重く冷たい印象に見えてしまうんですね。
その人が着ていて満足なのであればそれが一番いいんですが、逆さの色を選んでしまうと、だいたいそれが原因で悩みにつながってしまうんです。サマーの人がスプリングを着ると、「子供っぽく見られる」という悩みをお持ちだったり。本来アイシーグレイや透明感がある色が似合うウィンターの人がメイクをベージュ系にしていると、「メイクをしていないように見られる」という悩みだったり。
だから何か問題点を抱えているのなら、パーソナルカラーを見つけることで解決策が見えてきます。新しい自分を創るチャンスにもなります。
働く女性はただでさえお仕事で疲れているので、顔周りに自分の似合う色をつけることで元気になれると思います。「忙しくてお洋服を買いに行く時間がないから、ネットショッピングで探したい!」というときも、ターゲットになる色が分かっていれば迷わずお買い物できますよ。