好きなことに気づける手帳の書き方
2011年から発売されている「朝活手帳」。池田さんはこの手帳のプロデュースを通して、アイデアの種を実現するためには、衝動をどう形にするかが重要だと実感したそうです。
「ロングセラーになった時に『このアイデアがあったのに』とネットに書いていらっしゃる方がいたんです。私はいろいろなところに企画書を出して、断られて、ディスカヴァーさん(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が拾ってくれたことで、発売できました。スピード感を持ってアウトプットするのが大事だと実感した経験です」(池田さん)
「書かないとかなわないし、宣言しないとかなわない」とはあちゅうさん。「BIG MAGIC 『夢中になる』ことからはじめよう。」(エリザベス・ギルバート著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読み、アイデアが浮かんだらメモをして、情熱があるうちにかなえないと逃してしまうと感じたそうです。
「自分の好きなことで生きていきたいと言っていても、何をやりたいのかが分からない人が結構多いんです。それは、普段から自分が好きなことを見つめられる生活を送っていないからだと思います。こういう手帳で好きなことを書きためておくと、『私ごはんのことしか書いてないから、ごはん好きなのかも』と気付くきっかけができて、夢の種に出合えます」(はあちゅうさん)
池田さんは、まさに手帳を通して自分が本当に好きなことに気付いた経験があるといいます。
「私は以前、料理研究家になりたいと思って、パンやチーズ、ワインの資格を取っていました。でも、手帳には自分の作ったレシピがなくて、食べることばかり書いていたのです。私は作ることよりも、みんなと飲んで楽しいうれしいという場が好きなのだと気付きました。そのことが、コミュニケーション改善やプレゼンテーションに関わる、今の仕事につながっています」(池田さん)
後編では、手帳を書く時間のつくり方からお気に入りの文房具まで、手帳を愛用するお二人の活用術を、より具体的にお伝えします。
*後編は5月2日公開予定
聞き手・文/飯田樹
作家、ブロガー。1986年生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。在学中にブログを使って「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、カリスマ女子大生ブロガーとして活躍。電通、トレンダーズを経てフリーに転身。月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」、「小さな野心を手帳で叶えるオンラインサロン」などを運営。著書に「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月」(KADOKAWA)、「言葉を使いこなして人生を変える」(大和書房)など。