40~50代は「待ったなし!」

 40~50代は、結婚や子育てといったライフイベントの真っただ中という人が多い世代です。教育費やマイホームのローンなどの出費要素が加わり、20~30代に比べると「自由に使えるお金」は減ってきます。実際、支払いに追われている人も多いのではないでしょうか。

 教育費の話が出たところでの余談ですが、「子どもの大学進学は奨学金で」と簡単に片付けてしまう親御さんがおられます。奨学金は支払いを先送りにすること(=我が子に借金を背負わせること)という側面でもあります。「奨学金破産」といった物騒なニュースも増えており、選択は慎重にしたいものです。

 さて、そんななか、40~50代はお金とどうお付き合いするべきでしょうか。

毎月3万円ずつの積み立て投資

 まず、「退職まで残り10~20年」と認識しましょう。まだ時間はあります。50代からでも退職まで15年。将来、我が子に依存しないためにも、その時間は有効に使いましょう。積み立て投資額は3万円としましょう。仮に5%で運用できたとすると……。

 3万円/月 × 15年 = 540万円 ⇒ 5%運用の場合 約797万円

 ここから投資をスタートすれば、十分な「時間」を確保できます。15年間の積み立て投資で、800万円近くの金額になります。逆に言うと、ここでスタートしなければ時間が足りません。「この世代は投資をやるべき」という強いメッセージを送りたいと思います。

60~70代 もはや投資のチャンスはなし

 人の寿命を90歳と考えると、60~70代でもさらなる将来を考えたくなります。そのため、70歳を超えて全資産をかき集めても200~300万円しかないという人から「投資をしたい」というご相談を受けることがあります。

 そもそも70歳という年代は、これまで蓄えた蓄財を取り崩すべき時期です。ご相談の動機は、その取り崩すべき蓄財がないから投資で増やしたいというものですが、だからと言って、手元にあるわずかな財産で投資をするのはあまりにも危険です。

 さらに、70歳以上の親が経済的に自立できていないと、30~40代の子どもたちが経済的支援をすることになり、彼ら自身の老後に向けた蓄財ができません。「負の連鎖」を起こします。

 厳しい言い方になりますが、この世代の投資のチャンスは「ない」と言うしかありません。投資でお金を増やすのではなく、お金を減らさない「節約・倹約」で、負の連鎖が起きないように頑張っていただきたいです。また、そうならないように、20代から、あるいは30代から投資をスタートさせることが大切です。

 また、逆にこの世代で余裕のある場合は、「日本経済のために投資する」と発想を転換させてみてください。単に「増やしたい」という理由ではなく、また、自分自身のためではなく、お子さんやお孫さんなど、未来のある人たちのために投資するなど、明確な投資のゴールを持って計画的に余裕資金で投資をしてください。

マンガ/anco 文/西原 朗 監修/マネースクールUNO イメージ写真/PIXTA


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