昨今は「断捨離」や「ミニマリスト」などのキーワードが流行し、多くの物を所有しないシンプルな暮らし方が注目されてきました。関東在住の20代~60代の男女を対象とした調査で、物を持たないシンプルライフ志向が、家具選びにも拡大している傾向が明らかになりました。

 調査では、約7割が家具にこだわりを持ち、「よい物を長く使いたい」という意識があるという結果に。とはいえ実際には、予算オーバーしたときは約6割が希望の品を諦め、妥協しているようです。また家具を購入後、実際に家に置いてみて不満を感じた経験のある人は半数程度に上ります。レンタル家具を利用してみたいと答えた1000人のうち、約45%の人が「家具を所有したくない」と答えています。

 家具選びに失敗する背景にはさまざまな理由がありそうですが、家具を所有したいという意欲が薄れていることが分かりました。家具を所有しない暮らし方の一助として、今後は、家具のレンタルが賢い選択肢として広まる可能性もありそうです。

【調査概要】
◎通信販売大手ディノス・セシールによるインターネット調査
◎調査実施期間:2017年9月7日~10日
◎対象:関東の一都六県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県・茨城県)在住の20~60代の男女で、家具レンタルサービス利用意向者の中から計1000人(男性489人、女性511人)

家具をあまり所有しない、シンプルな生活を求める声が多い (C) PIXTA
家具をあまり所有しない、シンプルな生活を求める声が多い (C) PIXTA

家具への所有欲は低い

 まず事前調査として、一都六県に住む20代~60代の男女1万人を対象に、身の回りの物で「必ず所有したい物」について質問しました。すると、買ってまで所有したい物はベッドや布団など「寝具用品」(62.0%)が1位に。次いで、フォーマルスーツやドレスなど「衣服類」(49.3%)、「テーブル・机」(48.2%)、「家電」(48.0%)の順となりました。

 「ソファ」(39.1%)は「クルマ」(39.7%)とほぼ同程度。「本棚・ラック・シェルフ」(37.1%)と同様に、4割を切っています。逆に言えば、約6割の人はソファや本棚は所有する必要はないと思っていることになります。「ブランドバッグ」を所有したい人は16.6%とさらに少数派に。生活に密着した「生活必需品」以外の家具に対しては、必ずしも所有したいという意欲が高くないという傾向が分かりました。

必ず所有したいもの(購入して自分の物にしたいもの)
必ず所有したいもの(購入して自分の物にしたいもの)
布団やベッドなど寝具が1位に

 そこで、家具のレンタルサービスについて聞いてみると、利用した経験のない人がほとんど(97.1%)。家具レンタルサービスを利用したいかについて質問すると、約4人に1人が「新品なら利用してみたい」と答えています。

 ソファやテーブルなどについてレンタルでもいいと答えた人にその理由を聞くと、「住む家によって必要な物が変わるから」(30代男性)、「家族の成長に合わせて替えたいから」(30代女性)などの意見が寄せられました。