節約をするなら「管理不可能」な費目に目を付けて

 それでは本当に節約で効果を上げるには、どうしたらいいのでしょうか。大江さんは「自分で管理不可能なお金に目を付けるべき」だといいます。

 「食費や交際費、被服費は自分で調整できる『管理可能』なお金。ところがここを削り過ぎてしまうと日々の楽しみも減るため、ダイエットのリバウンドのように反動が出やすくなります。

自分のライフスタイルに合わせて「幸せな節約」をしよう (C)PIXTA
自分のライフスタイルに合わせて「幸せな節約」をしよう (C)PIXTA

 一方、家賃や生命保険代、通信費などは月額が決められ、自分では『管理不可能』なお金。でも20代なら死亡保障が付いたプランは必要ない場合が多いですし、通信費も格安SIMの料金プランに変えれば月に2~3万もの節約が可能です。しかもプランを変えても生活への影響が少ないため、長続きしやすい。

 節約は『お金持ち』になるためのものではなく、『幸せ持ち』になるためのもの。ぜひ上手に節約して、満足度の高いお金の使い方をして幸せになってくださいね」(大江さん)

文/三浦香代子 写真/PIXTA

プロフィール
大江英樹
大江英樹
経済コラムニスト/1級ファイナンシャルプランニング技能士
 大手証券会社で25年にわたって個人の資産運用業務などに関わり、2012年にオフィス・リベルタスを設立。行動経済学、資産運用、企業年金などをテーマに各種マスコミでの執筆、講演を行っている。「教科書にないお金の増やし方・守り方 行動経済学で解決する50のムダづかい」(大和書房)、「経済とおかねの超基本1年生」(東洋経済新報社)など著書も多数。