夜道での歩きスマホ 特に注意すべき場所は?

 続いて、読者へのアンケート調査で「夜、歩きながらスマホを操作して自宅へ帰ることはありますか」と尋ねました。その結果31%の人が「ある」と答え、およそ3人に1人が夜道での歩きスマホ経験があるということが分かりました。

夜、歩きながらスマホを操作して自宅へ帰ることはありますか。
夜、歩きながらスマホを操作して自宅へ帰ることはありますか。

 さらに、前の質問で「ある」と答えた人にどんな操作をしたのか聞きました。

どんな操作をしていましたか。
どんな操作をしていましたか。

 最も多かったのは「友人や家族などとメールやLINE、メッセンジャーなどをしていた」で44票、その後、「SNSを閲覧していた」(24票)、「地図を見ていた」(19票)、「音楽を聴いていた」(19票)、「ニュースなどの情報を見ていた」「ゲームをしていた」(それぞれ12票)と続きました。

 ALSOKの瀬戸拓郎さんは、夜道での歩きスマホをしている人は犯行者にとって格好の標的だと警鐘を鳴らしています。

 「女性が路上で遭いやすい犯罪といえば、ひったくりや強制わいせつなどですが、犯行者はまず、犯行の実行が可能な『間合い』に入ろうとしてきます。歩きスマホで周囲への警戒が疎かになっている女性ほど、この間合いに入り込みやすいといえるでしょう。ひったくりや強制わいせつなどの路上犯罪が多く発生しているのは、いずれも暗い時間帯です。人通りが減り、犯行が覚知されにくくなる夜の時間帯は、特に周囲に警戒しましょう。遅い時間になってしまった場合は、身の安全を考えてタクシーを使うのも一つの手段です」(瀬戸さん)

 また、同じくALSOKの渡辺文子さんは、夜の公園や駐車場にも危険が潜んでいると言います。

 「犯行者にとって都合がいいのが、『見えにくくて、入りやすい』場所です。夜はなるべく、木が生い茂っていたり、照明が少ないような公園には近づかないようにしましょう。また、身を潜めていても怪しまれにくい駐車場も要注意スポットです。犯行者が車中でターゲットを見定めていたり、近づいたときに車内に押し込もうとしていたりする危険性があります」(渡辺さん)

 マイカーをお持ちの方の場合、女性が乗っていると分かるような内装にしていると待ち伏せをされる可能性もあります。ユニセックスな内装にしておくと安心かもしれません。また、普段からできるだけ明るくて人の目につきやすいスペースに駐車するよう心がけ、周囲を警戒してから乗り降りする習慣をつけましょう。

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 スマホはいつでもどこでも使える便利なツールですが、その一方で使用者を危険にさらすケースもあります。今回の取材で、駅のホームや車内、夜道では、特に犯罪に巻き込まれる危険性が高くなることが分かりました。普段から歩きスマホを控えることはもちろん、TPOに応じたスマホ操作を心掛けて自分の身を守っていきたいですね。

文/華井由利奈