写真からの個人情報流出

 最後に紹介するのは、SNSにアップした写真から個人情報が漏洩してしまうケース。警視庁サイバーセキュリティ対策本部によると、楽しい思い出を残すために撮影した写真が、思わぬ被害やトラブルに発展することもあるそうです。

 「GPS機能付きのスマホなどで写真を撮ると、位置情報や撮影日時、スマホなどの機種名が情報として写真に添付されてしまう場合があります。またGPS機能がオフになっていても、写真に写っている周りの建物や書類から、個人情報や機密情報が漏れるケースもありました。撮影時には背景に注意を払い、投稿前にはGPS情報が付いていないかどうか確認しましょう」(同)

 最近はアプリが充実し、背景や機密情報が見られないようスタンプやモザイクなどの加工を簡単に施せるようになりました。加工した画像をそのままアップするのではなく、PDF化したり、スクリーンショットを撮ったりするなど、画像化してから投稿すると安心です。

 また写真だけではなく、投稿の内容にも注意が必要です。中でも特に気を付けたいのが、旅行中の写真を撮影当日にSNSに投稿する行為。過去にはSNSの情報を見て不在を確認し、空き巣をした犯罪者もいました。

 「日ごろから『SNSに投稿した情報は誰でも見られる』という認識を持つことが大切です。自分の発言が全世界に公開されているという意識を持ちましょう」(同)

生活に欠かせないスマホ セキュリティー対策は万全ですか? (C)PIXTA
生活に欠かせないスマホ セキュリティー対策は万全ですか? (C)PIXTA

 技術の進歩と同時にさまざまなセキュリティー対策ソフトが開発されていますが、100%安全だと言い切れるソフトはありません。自分の行動一つで自分自身を危険にさらしてしまう可能性もあります。まずは「私は大丈夫」という思い込みを捨て、スマホのセキュリティーに対する意識を高めていきたいですね。

文/華井由利奈 イラスト/PIXTA