中川淳一郎が考える矢口&ベッキー復帰プラン

 今は広告の作り方がすごく難しい時代だけれど、クレームの発火点はネット。だから、ネットを見ていれば地雷案件は分かるはずで、企業としてはじっくり観察すべきだと思う。

 矢口真里は、3カ月限定でテイクアウトの弁当のようなCMに出て、「お持ち帰りは楽しいな」なんてやれば、みんなバカバカしくて許すしかなくなる。しかも、霜降り牛肉がドーンと入っている。「矢口真里の濃厚肉食弁当」なんて弁当をプロデュースする。ご飯の部分には矢口にとっての間男だった梅田賢三にかけて、立派な梅干を乗せる。

 それは、矢口真里のキャラクターだから出来ることで、例えば、やはり不倫騒動で消えたベッキーが、こうしたバカバカしいCMで復帰するのは難しい。

 ベッキーは近所の気のいいお姉さんという売り方をしていて、起こした騒動は彼女のキャラクターとの落差が激しかった。

 4月にはNHKの子供番組「おかあさんといっしょ」の元「うたのおにいさん」が覚せい剤所持で逮捕されたけど、世間での顔と落差が激しいほど復帰できない。

 キャスターの宮根誠司は12年に隠し子が報道されたけど仕事に影響はなかった。それは、彼が毒舌で売る関西のおっちゃんだからで、まあいいかということになる。

 オレはベッキーは、コピーライターとして復帰するのが一番いいと思う。

 だって、(不倫を報道した雑誌)『週刊文春』のことを「センテンス スプリング」と言うなんて、誰も思いつかない。「レッツ・ポジティブ!」とか「友達で押し通す予定!笑」とか。

 あの言語センスは、2ちゃんねらー(日本最大の匿名掲示板「2ちゃんねる」の利用者)を震撼させた。ベッキー、言葉の破壊力がすごいって。

 ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」もベッキーの「センテンス スプリング」あってのことじゃないかって、参考にしているんじゃないかとオレは思うわけ。そのぐらい2ちゃんねらーは彼女を高く評価している。