辛い説教も「ネタ」としてとらえる

「上司の説教大会もつらいですね」
「上司の説教大会もつらいですね」

稲田 悪口ばかりの会に加えてもう一つ辛いパターンが、上司の説教が延々と続く飲み会。これ、勤め人の方はあるあるネタだと思いますけど、なめ子さんだったらどうやって切り抜けますか。

辛酸 一応、聞いているフリをしつつも足のマッサージをしてむくみ取りの時間にあてて、その時間がムダにならないようにしますかね……。でも説教も、冷静に聞くとおかしな格言みたいなものが挟み込まれていることもあるので、それをメモしておくのはいいかもしれません。

 先日もたこ焼き居酒屋で隣のおじさんたちが仕事の愚痴を言い合っていて、最終的に一人のおじさんが、「やっぱり人間は人間性ですよ」ってまとめていたのが聞こえてきました。


「飲み会での言動はネタの宝庫。メモをとるのはいいかもしれません」
「飲み会での言動はネタの宝庫。メモをとるのはいいかもしれません」

稲田 昔、宮藤官九郎が脚本を書いた『タイガー&ドラゴン』というドラマで主人公が絶体絶命のピンチに陥るシーンがあったんですけど、その時彼が、「危ない目にあっても、後で話のネタになると思えば乗り切れる」みたいなことを言ってたんです。だからしょうもない説教も、「今度どの飲み会でどう披露してやろう」って観点で聞けば、だいぶ救われますよね。

 なめ子さんって特にそういう力をお持ちだと思うんですけど、その場を面白がる力や分析力、聴く力みたいなものはどうやって培ったんですか。

辛酸 通っていた高校は自己主張の強い人が多い学校だったので、自然と聞き役に回っていましたね。でもその頃からキャラの濃い先生や面白い同級生の言動をメモして、学級新聞に載せるようなことはしていました。