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相模原障害者施設殺傷事件と感動ポルノに思うこと

2016年11月15日

ナミねぇ 「障害者=かわいそう」じゃない 私らは堂々と生きる!

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「チャレンジド(障害者)を納税者にできる日本に!」を合言葉に、ICT(情報通信技術)を使った障害者の自立、就労支援を手掛ける社会福祉法人プロップ・ステーション。「ナミねぇ」こと、竹中ナミさんは自身が重症心身障害を持つ娘を授かったことをきっかけに、この活動を推進してきた。今年起きた、相模原障害者殺傷事件やチャリティー番組への「感動ポルノ」という批判…。障害の有無にかかわらず、誰もが元気と誇りを持って働ける社会をつくることを目指すナミねぇに、現在の思いを伺った。(インタビュアー/麓幸子=日経BPヒット総合研究所長・執行役員)

――今年7月、神奈川県相模原市の障害者福祉施設で元職員による殺傷事件が発生し、19人が亡くなりました。第一報を聞いたとき、どんなお気持ちでしたか。

竹中さん(以下、ナミねぇ) 気がついたら涙がバッと出てました。重症心身障害を持つ私の娘(麻紀さん)も、病院で生活をしています。娘のような人たちは、世の中から不要だという信念で殺されたんやというのは、特別なショックがありました。

 事件のあった日から、障害のある方やご家族の方たちから「私たちは不要な人間なのか」「生きていてはいけないのか」といった、悲痛な内容のメールが次々と寄せられました。それを読んだとき、ショック受けて涙流している場合ちゃうな、負けたらいかんね! と思いました。

「ショックで涙流してる場合ちゃう。負けたらいかん」

私たちは堂々と胸張って生きていこう

 「優生思想は、個人にも社会にも根源的にあるもの。でも、人間はほかの動物と違って、弱い者、生存能力が低い者がいても自然淘汰はしない、みんなで支え合い守り合っていく社会をつくる方向をめざしてきた。長い年月をかけて人類がつくり上げてきた生き方を、卑劣な人間が起こした犯罪によって崩されてはいけない!と思います。

 そのためには障害のある人やその家族が胸張って、堂々と生きていることを社会に示すしかない。私たちは「堂々と胸張って生きていこう」と発信していこうという結論に至りました。

――報道では被害者のお名前が伏せられていましたが、一方でテレビに出てお話しされる親御さんもいらっしゃいました。

ナミねぇ 被害者のご家族が匿名を希望されたのは、今までの社会状況からいったら仕方がないことだったんだろうと理解はできます。昔は障害のある子を連れて道を歩いていたら石を投げる人がいたとか、「障害のある子を産んだ」と親戚から責められた末に母子が心中した悲劇もたくさん耳にしました。いろいろな理由で、わが子が障害者であることを隠しておきたいご家族が多かった。

 でも時代は変わったと思いました。今、障害のあるお子さんとご両親が一緒にテレビに出て、世間に対して語られたというのは、すごいことです。私が目指すように、堂々と生きようとされていることが、うれしかったですね。あの事件によって、強烈な負のエネルギーがまき散らされたけれども、逆にそれに向き合う力というのも生まれてきたことも確かです。

あの恐ろしい事件からプラスをどう引き出すか

――事件がさまざまな影響を及ぼしましたが、課題もあるのではないでしょうか。

ナミねぇ 「マイナスこそプラスの種」ととらえるのが、私の生き方なんですけど、あの恐ろしいマイナスから、どうプラスを引き出すかをみんなが考え始めましたよね。事件によって、プラスに変わったこともたくさんあると思います。

 ただ、あの事件がなぜ起きたのかという根本原因を明らかにする報道は、まだ目にしていません。そこのところが、やはり知りたい。

 どこで防ぐことができたのか、なぜそれができなかったのか。そこをきちんと検証しない限り、今後も同じようなことが起きる危険性があると思います。

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研フェロー。1984年筑波大学卒業、同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバー。2006年日経ウーマン編集長。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁などの有識者委員を歴任。筑波大学非常勤講師。著書は「女性活躍の教科書」「仕事も私生活もなぜかうまくいく女性の習慣」など。
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