自分の幸せと子どもの有無は関係ない

「産まなかったけど幸せ、という人を社会が隠しているのではないでしょうか」
「産まなかったけど幸せ、という人を社会が隠しているのではないでしょうか」

 私の場合、子づくりを悩んでいるときは「産まないで後悔したらどうしよう」っていう恐怖が大きくて、自分は間違った選択をしているんじゃないかという感覚がすごくあった。でもこの本を作るに当たってたくさんの女性に話を聞いて分かったのが、自分の人生をちゃんと尊重できていたなら、子どもがいようといまいと幸せになれるってことなんです。

 社会の風潮はまだまだ「女の幸せは子どもを産んで育てること」って考え方がメジャーですが、今回子どものいない人にとったアンケートで、「子どもを持たないことで生まれる悩みや迷いはありますか」と聞いて一番多かった回答は「特にない」。唯一あるとしたら、周りからの「産まないの?」という言葉という結果でした。

 ここからも分かるように、「産まなかったけど幸せ」という人が事実たくさんいるってことを、まだまだ社会が隠しているんですよね。だから、子どもを持つことだけが幸せになる道ではないってことがもっと浸透すれば、変に焦らなくてもすむんじゃないかなと思います。

聞き手・文/小泉なつみ 写真/小野さやか

「私、子ども欲しいかもしれない。」
 著:犬山紙子
 出版社:平凡社

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