現状を変えるには「怒ること!」

高山:とはいえ、女性が結婚や出産後に仕事を頑張りたいと思っても、保育園が足りなかったり、職場の理解が得られなかったりと、女性が活躍できる基盤がぜい弱という声もあります。

中野:確かに、保育園の不足問題は早急に解決するべき課題です。また度重なる子どもの病気による欠勤や遅刻、早退で、肩身の狭い思いをしているワーキングマザーもまだまだ多い状況ですよね。仕事ができないおじさんが高い給料をもらっていて、女性社員は安い給料で補助的な仕事しか任せてもらえない旧体質な会社があることも事実です。まだ、世の中、男性主導なのは否めません。

高山:総務省の労働力調査によると、35歳~44歳の独身女性で雇用されて働く人の約4割が非正規雇用だそうです。現状では、結婚や出産によって退職する女性も多いですし、復帰もスムーズにいかないケースも頻発しています。女性がライフイベントの変化に上手に対応しながら働き続けているモデルが少な過ぎるのも、専業主婦願望が増えてしまう要因なのかもしれません。

中野:僕からすると、女性だから仕方ない、子どもがいるから仕方ないと、諦めてしまっている人が多過ぎると思うんですよね。もっと、現状に対して声を大にして怒っていいし、むしろ怒らなくてはいけない。

怒りを自覚して表現することも大事な「選択」です (C) PIXTA
怒りを自覚して表現することも大事な「選択」です (C) PIXTA

高山:確かに、日本人は特におとなしいかもしれません。私の所には、アラサーの女性がたくさん相談にいらっしゃいますが、多くが「仕方がない」と現状を受け入れてしまっている気がします。

中野:そう、それが問題なんですよ。現状が変わらないから「専業主婦になる」と逃げるのではなく、現状を変えるべく声を上げて「怒ること!」。これが課題解決の一歩になります。