小嶋:昔からそうなんです。「やったことがないからできないかも」と考えず、自分が「やりたい」と思ったことは、「やりたい」性格で……。実は、心の奥底では「また調子のいいことを言っちゃったな」と反省することもあるのですが、「やります」と言ってから「やれる自分になればいい」と思っていますね。

「やります」と言ってから「やれる自分になればいい」と思っています
「やります」と言ってから「やれる自分になればいい」と思っています

 小学校の時、ピアノを習ったことも弾いたこともないのに、「やりたい」と思い、合唱のピアノ伴奏者に応募したことがありました。手を挙げてしまってから、ピアノが弾ける友達に楽譜をドレミで書いてもらい、両親に頼み込んでピアノの先生に教えてもらうなどして猛練習したら、数週間で両手を使って弾けるようになりました。

 小さな頃からずっと、すごいと思った人をコピーして覚えていくことの繰り返しでした。そんな経験ばかりしているので、やったことのないことをやるのに抵抗がなかったのかもしれませんね。

入社した会社が急成長。辞めてフリーランスに

――入社後はどんなお仕事を?

小嶋:立ち上げたばかりの新しい事業部で営業の仕事を担当していました。事業が急拡大するフェーズだったこともあり、2カ月後には部下が11人いるチームのリーダーになっていました。急成長した結果、この事業部は1年後、別の会社に買われることになり、私はそのタイミングで会社を辞め、フリーランスになりました。というのも、転職してからの1年間は毎朝7時に出社し、夜の1時まで働くような生活を続けていたからです。

 家のことは何もできず、月の半分は実家の母に来てもらって、なんとか家庭を回している状態。子どもたちに何もしてあげられず、「こんな働き方は続けられない」と感じ始めていたのです。一方で、1年間仕事に没頭できたおかげで、「仕事のやり方」も理解でき、営業成績は断トツだったので、自分の得意なことは「営業」だと分かりました。

 そこで、これまでお世話になった方たちを通して、業務委託で営業代行をしたり、ベンチャーの立ち上げを手伝ったりする仕事をやるようになりました。フリーランス時代はお昼に出勤することがあっても夕方には帰宅して子どもと一緒にご飯を食べ、子どもたちが寝た後に仕事をする、といった具合に、自分のペースで柔軟な働き方ができていましたね。