過労死を避けるためには、どうすべき?

「サプリ」では、長時間労働のため椅子を並べて寝るシーンもあります (C)おかざき真里/祥伝社フィールコミックス
「サプリ」では、長時間労働のため椅子を並べて寝るシーンもあります (C)おかざき真里/祥伝社フィールコミックス

中川:やっぱりストレスがあると、乱暴な振る舞いや物言いをしてしまう。そうなったら、殺伐とするでしょう(笑)。博報堂は、ストレスをぶちまけて未熟者の振る舞いをすると、叱ってくれる風土があったんです。例えば女性の先輩がピシッと叱ってくれて、そこをみんなでフォローするとか。でもその先輩たちは客と接しているフロントラインなわけで、その人たちでもちゃんと律していられるのを見て、自分の未熟さを知るわけですね。

おかざき:あの会社は、下っ端はやりやすいですよね。子どもでいるうちは子どもでいさせてくれるというか。

中川:3年くらいはそんな感じで育ててもらえる。

おかざき:私は10年くらいそんな感じで。床に寝たりしていましたよ(笑)。

――もともとのストレス耐性ももちろんですが、それさえもいっぱいいっぱいになってしまうような「逃げられない」状況に陥ってしまったとき、過労死を避けるためにはどう逃げればいいんでしょうか。

おかざき:私は1年目にすごくしんどかった覚えがあります。OB訪問を受けたのに、仕事で1時間近く遅刻して行って、疲れ過ぎて口も利けず、名刺も渡せないくらい。でもそんな状況でも「逃げる」をあまり考えないほうがいいかもしれない。逃げると、選択肢がなくなるわけでしょう。そして下手に「考える」もしないほうがいいかもしれない。疲れているときに考えると、誤りやすいし、選択肢を切ってしまったりするじゃないですか。それよりも選択肢をたくさん持つほうに力を注いだほうがいいんじゃないかな。