旬の野菜は自分達で不要なものを排除する力を持っている

内田 そう思っている人は多いですよね。実はトマトの旬は春なんです。寒さは和らぐけれども、朝晩はキリリと冷える。そんな季節がトマトにとっては心地がいいんですね。夏のトマトは、僕にとっては水っぽくて味わいが無い感じがしてね。おいしく感じるのは6月いっぱいくらいまでかな。

hitomi いや~、そうなんですね。私自身、旬のものは何となく意識していたつもりだったんですが……。例えば、夏は体がスーッと涼しくなるナスを味噌煮にしてみたり、冬は体が温まるような野菜を手に取ってみたり。

内田 その何となくの感覚でいいんですよ! 野菜が自然にあるがまま、自分に合った条件で育ち実る季節を「旬」と言うんです。旬の野菜を見つけたら、「あ~そんな季節が来たんだね」と味わう心が豊かさを生むと思うんですよね。

hitomi 旬を味わうって、素敵ですね。季節に実るものって親ももちろんだけど、子どもはもっと分からないので、学校で「これはいつ咲くお花でしょう?」とか「これはいつできる野菜でしょう?」とか、テストがあったらいいですね。人間として、春夏秋冬を感じて生きるって大切だと思うから。

内田 ホントそうだね。大切なことは、人間が都合よく作り出せない「四季」というものを受け入れて、そこに息づく野菜や果物を食するということなんです。旬の野菜というのは、肥料が入ろうが、農薬が入ろうが、自分達で必須アミノ酸を作り出し、自分達で不要なものを排除する力を持っているんですよ。

hitomi ということは、旬の野菜であれば、肥料や農薬が使われているかどうかはあまり気にしなくていいんですね。スーパーには一年中いろんな野菜が売っていますけど、冬に夏野菜のナスがあるっていうことは、あまり良くない肥料が使われているってことですかね?

内田 作るために無理がある環境で育てられているってことですね。つまりは、過剰な農薬、肥料を使うことによって、細胞肥大を繰り返して出来上がっている。だから、僕は冬場に夏野菜のナス、ピーマン、キュウリを使いません。もちろん買ってもいいんですよ。だけど、味も栄養価も違うから。

hitomi その季節に自然に育つ野菜をいただくことが大切なんですね。では、野菜を買うときに具体的にどうやって選んだらいいのか、その見分け方を教えてください!