「あなたにとっての幸せはなんですか?」の答え

 私は肝付町に行くことを、「未来に出張」って言っているんです。なぜなら、肝付町の人口ピラミッド(年齢別人口構成図)って、2060年の日本のそれと一緒なんですよ。

 東京をはじめとして、高齢化して縮小していく社会を、誰もが不安に感じていると思います。そういう社会で人々が幸せに生きていくためには何が必要なのか? 未来の日本を凝縮したような肝付町に行って、考え、探り続けるなかで、少しずつその答えが見えてきました。

 それは、お金を稼ぐことを目的とした都会の社会とは違う、人々の貢献を交換し合って生きていく社会。全てがそうはいかないかもしれないけれど、そこからヒントをもらって日本の社会を作っていけば、不幸な未来にはならないと思います。

 「あなたにとっての幸せはなんですか?」という問いがあったら、答えは「誰かの役に立っていると実感できること」なのではないかと、私は思っています。

 そして、「愛の反対は無関心」という言葉があるように、誰からも関心を寄せられず、世の中から必要とされていないと感じたら、不幸だと思ってしまうのではないでしょうか。

 そんな“無関心”の状態にならないように、ITは色んな場所にいる人をつなぐ貢献のためのコミュニケーションとして、役に立つと思っています。