「品ぞろえや口座管理手数料をしっかりチェックして」と井戸さん
「品ぞろえや口座管理手数料をしっかりチェックして」と井戸さん

井戸 いくら積み立てるか、さらにどこでスタートするかも大切。iDeCo(イデコ)を始めるには各自が金融機関を1カ所を選んで、口座を作る必要があります。iDeCo(イデコ)を取り扱う金融機関はたくさんありますから、品ぞろえや口座管理手数料をしっかり比較して選んでください。iDeCo(イデコ)は一度始めたら、途中で積み立ては中断できても、口座管理手数料をずっと払い続ける必要がありますから。

大江 投資信託を利用するなら、さらに投資信託の信託報酬という手数料の比較も必須です。信託報酬は投資信託の残高から毎日手数料として引かれるもので、0.1%程度の違いでも運用期間が長くなってくると、運用益に大きな差が付いてきます。

「投資信託の信託報酬の比較も忘れずに」と大江さん
「投資信託の信託報酬の比較も忘れずに」と大江さん

安原 iDeCo(イデコ)で投資を始めるならどんな投信がお勧めですか?

大江 株や債券など、マーケット全体の動きを示す指数に連動するインデックス投信を選ぶのが無難でしょう。値動きが分かりやすく、信託報酬も安いです。

井戸 投資信託は株式や為替の影響で値動きをするので、持っていることで、経済情勢などにも興味が湧きます。退職金でいきなり投資デビューはお勧めできないけど、iDeCo(イデコ)を使って現役時代から投資に慣れておくのはよいと思います。

大江 原則60歳以降でなければ引き出すことができない分、現役時代に取り崩せないため、確実に老後資金が貯まるという点もメリットです。

井戸 長生きするようになって、老後資金がたくさん必要になることを「長生きリスク」などと、マイナスに考える方もいます。でも私は日本という長寿国に生まれたのは幸運だと思っています。働き方も、人付き合いも、お金の管理も、50歳近くまで生きれば、一度や二度、「あれは失敗だった」という経験をしていますよね。そして失敗から学習したことがあるはずです。それを生かして、次はもう少し上手に振る舞えるはず。女性の平均寿命が61歳だった大正時代にはできなかったことが、今の私たちにはできる。だから「長生きするとお金が足りなくなる、どうしよう」などと後ろ向きに考えずに、定年後に楽しく働いて稼ぐ計画を立てて、100歳までの人生を存分に生きてほしいです。

文/坂本綾子 写真/洞澤佐智子


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社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんと経済コラムニストの大江英樹さん、そして美容家の佐伯チズさんが加わり、豊かな人生を過ごすためのマネー術について語り合います。一生お金に困らないために現役時代から準備しておくべきこと、知っておくべき知恵を学びませんか。

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