大江さん(以下、敬称略) 38年間証券会社で営業マンをして、大金持ちの人をいっぱい見てきました。その結果実感したのは、本業で一生懸命稼いでムダな支出をしなかった人がやっぱり一番強いということです。もちろん投資に挑戦するのもよいのですが、「分からない」「苦手だ」と思うなら無理にしなくていいのです。また、社会保障制度についてきちんと知っておくことも大切です。もし重い障害で働けなくなったら、介護が必要になったら、国からお金をどれくらいもらえるのか。制度を知っておけば、生命保険や医療保険に必要以上に入るムダがなくなります。

安原 そんなお二人が口をそろえて「老後資金を作る最強の制度」とすすめるのが個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))ですね。今年から加入者の範囲が広がり、働き女子たちの関心も高まっています。どう最強なのか、どう使いこなせばいいのか教えてください。

『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』著者の井戸さん(右)、大江さん
『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』著者の井戸さん(右)、大江さん

井戸 この連載の第1回で「現在30~40代の会社員の方が将来受け取る公的年金は、今の水準に比べて3~4割くらい減るかもしれない」とお話ししました。iDeCo(イデコ)は公的年金では足りない分を補うために、自分で掛け金を納めて運用してもらおうと国が作った制度です。そのためさまざまな優遇制度があるのです。