何より大事な健康のために「しないことリスト」

だるさを無視しない

 「『だるさに敏感になったほうがいい』は僕の持論。だるさは体調が悪い、精神状態が落ちている、今していることが好きじゃない、という体からのシグナルです。それを無視して頑張り過ぎてしまうから、病気になって寝込んでしまうんです」

睡眠を削らない

 「僕が会社を辞めて、一番うれしかったのが毎日決まった時間に起きなくてもいいことと、好きなだけ眠れること。日本人の睡眠の短さは世界でもトップクラスですが、ゆっくり眠れない生活は生物として間違っていると思います。『寝不足で休む』という理由が認められる世の中になってほしいですね」

こちらのシェアハウスでは小鳥が飼われていました。名前は、ゲームから取った「ソルバルウ」
こちらのシェアハウスでは小鳥が飼われていました。名前は、ゲームから取った「ソルバルウ」

イヤなことをしない

 「『つらいことを頑張る』『耐えた先には何かがある』という人は、つらいことに耐えるのが好きなだけではないでしょうか。僕自身は会社勤めにどうしてもなじめませんでした。会社を辞めてからは自分が好きな文章を書き、淡々とブログにアップしていたら面白いと評判になり、本を出すことができました。人は自分が好きなことなら頑張れるし、長続きする。自分が好きなことを続けていれば、それが何か形になっていくと思います」

 phaさんは何も無責任に「会社を辞めてしまえ」と言っているのではありません。取材陣のどの質問にも、一つ一つゆっくり丁寧に言葉を選びながら答えてくれました。そこには「元ニート」ということで誤解を受けがちな自由気ままさや、身勝手さは感じられません。自分の好きなことをしつつも、他人に対する優しさ、寛容さが伝わってきます。

phaさんのどこまでも寛容な言葉は、多くのことを気づかせてくれました
phaさんのどこまでも寛容な言葉は、多くのことを気づかせてくれました

 「今は好きな暮らしができ、そのおかげで人に優しくなれるのかもしれません。何もすべて僕の言う通りにする必要はなく、会社勤めが得意な人は辞める必要はないし、貯金が生き甲斐だという人は納得いくまでためればいいと思います。『自分が無理をしない』ことを決めれば、肩の力を抜いて生きられると思いますよ」

 あれもこれも、ではなく、自分の心と対話しながら今後を決める。2018年はTO DOリストではなく、心がラクになるNOT TO DOリストを始めてみませんか?

聞き手・文/三浦香代子 写真/稲垣純也