◆エレベーターで◆

 エレベーター内の様子が把握できるように、入口に近い側壁に背を向けて、操作ボタンの前に立ちます(何かあった時に、非常ボタンや最寄りの階を押せる位置)。マンションであれば、できるだけ乗り合わせを避けて。「見知らぬ人と乗り合わせて、少し怖いなと感じたら、携帯電話が鳴ったふりをして最寄りの階で降りたり、郵便物を忘れたと出るのも手。相手に不快感を与えずスマートに立ち去れます」

◆個人情報流出◆

 郵便物は、毎日ポストをみてきちんと回収を。意外と見落としがちなのが「ゴミ出し」。「ダイレクトメールがそのまま入っていたり、女性関連グッズが見えるように入っていると、女性が住む部屋とその住所が簡単に判別されてしまいます。24時間体制で捨てられるゴミ置き場を備えたマンションでも、できるだけ収集日に捨てることを意識したいですね」。デリケートなものは外から見て判別できないようにしたり、個人情報はシュレッダーをかけるなど、工夫の余地は十分ありそうです。

◆屋外◆

 屋外で発生する犯罪の多くは、夕方から明け方にかけての暗くて人目に付きにくい時間帯。帰宅が夜遅くなるときは、防犯ブザーを見えるように持ち歩いたり、1枚上着を羽織るだけで自衛手段になります。LINEやスマホ操作をしながらの移動は危険。「毅然と早足気味に歩いている人よりは、ゆっくり歩いている人の方が狙われるリスクを高めます」。

 くつは防犯を優先させたいときと、おしゃれしたいときとのメリハリをつけて。「会社にバレエシューズやスニーカーを置いておくと便利。防災上も有効ですし、ヒールの高いパンプスを履いた日に帰りが遅くなるときは、履き替えることで、“もしもの事態”に備えて身軽に動くことができます。トートバッグも口が開いているからダメとよく言われますが、どうしてもお気に入りの鞄で出かけたいときは、大判ストールを上から覆うだけでも閉じた形に近い状態になりますよ」

◆インターネット◆

 普及とともに、急増・多様化するネット犯罪。PCやスマホのウィルス対策を最新にするのはもちろん、アプリは信頼のおけるところからダウンロードをしましょう。SNSの“なりすまし”被害に遭うケースもあるので、安易な情報公開や承認は避けて。「この数年で約10倍に膨れ上がっているのが、『リベンジポルノ』という被害。元恋人や元結婚相手が、別れた腹いせに、親密なころの裸の写真や動画をネット上に流出させるいやがらせ行為です。便利なSNSですが、リスクや怖さも十分に注意をしながら、賢明な行動を心がけたいですね」

◆話を聞きました
働く女性の安全委員会
2007年にセコムの女性社員6人が立ち上げ。女性の毎日をより「安全・安心」にすることを目的に、セキュリティのプロと女性ならではの観点から、さまざまな防犯に関する情報発信を行っています。「女性のためのあんしんライフnavi」。

文/加藤京子

「あなたは大丈夫!? 秋の防災・防犯対策」(初出:2014年9月2日)の記事を基に構成

◆魅ならい塾◆
新生活、ひとり時間の過ごし方~快適な空間づくりのヒント塾

セコム働く女性の安全委員会による、新生活を「安全・安心」に始めるための防犯セミナーを東京・品川で開催します。ぜひご応募ください。
詳しくはこちら⇒魅力的な人にならう 第9回「“魅”ならい塾」概要