2016年2月下旬、家事代行業ベアーズの執行役員(当時)によって投稿されたブログが大炎上するという“事件”が起こりました。ブログタイトルは「女性に読んでほしくない女性のマネジメントについて」。ブログでは女性のことを「わがままな生き物」「意味不明な生き物」と形容するなど、「働く女性の味方のはずの、家事代行企業の役員がなぜ?」と疑問を持った人もいるのではないでしょうか。ただ、この事件について「けしからん!」と声を荒げるだけでなく、教訓として学びを得ることもあるのではないでしょうか。日経ウーマンオンライン連載でおなじみの健康社会学者の河合薫さんに特別寄稿をしていただきました。

 私は、「女は○○だ」という風にレッテルを貼られるのが、好きではない。

 女性差別とか、女性軽視だとか、セクハラだとか、そんなややこしい話ではなく、「ホントにそんなに違うんだろうか?」と率直に感じるからだ。

 今回の“事件”もそうだった。家事代行業のベアーズ執行役員ブログ大炎上事件である。

 では、まずは、問題のブログ「女性に読んで欲しくない女性のマネジメント」(by 片切真人氏)をお読みください。

以下、一部抜粋&概略
女性に読んでほしくない女性のマネジメント

 「これからの時代は男女でわけて考えるのではなく、性別ではなく、個々としてみないといけないから男女でマネジメントをわけるなんていうのはナンセンスだ。」
と自分に言い聞かせてきましたが、やはり男女は違うという答えに行き着きました。
中でも大きく3つポイントがあると思っています。

1、口は出すが責任は負いたくないわがままな生き物

女性は全員「何にでも言いたがりだが責任は絶対に負いたくない生き物」。いきなり香ばしいスタートですが女性はそうなのです。「私はそうじゃない女性をみたことがある!」という方はそれは股間の膨らみが胸部に移動しただけの中身は男だと思います。

女性は上司のことを「あれができてない、これがよくない」と言いたい放題言っといて、「じゃああなたがやってよ」と言ったら「それは別の話です。」と突き返します。「それは私の仕事じゃないと思います。」と切り返されます。ここで大切なのはムカつかないこと。だってそういう生き物ですもの。

2、数字だけでは燃えてくれないめんどくさい生き物

ふたつめは女性は数字だけでは一切燃えてくれない生き物です。 「数字を追うというだけで毎日燃えられる意味がわからない。」と思っています。「何のためにこの仕事に取り組むべきか?どのような意味があるのか?」ということの説明が必要です。
「女性はすぐに動かない。」とか思っている方はそのような生き物だと認識することから始めて、丁寧に意味を説明できないならそもそも女性の部下を持ってはいけません。

3、解決しなくても共感してくれればいいと思ってる意味不明な生き物

女性は会話でつながりを感じて安心感や満足感を得るものだと思っています。昔グータンヌーボというテレビ番組があって、女性3人がただただ喋って同調しているだけの番組を30分流し続けていて、私はフジテレビのプロデューサーは気が狂ったのかとおもったら、まさかの高視聴率に溜飲を下げざるを得なかった覚えがあります。

・「で、結局何が言いたいの?」
・「じゃあ早くそうしたらいいじゃん。」
・「話が長くてまわりくどい。」
これらは『女性に対してのタブー三大用語』なので、これらを今後一切言わないようにしましょう。
女性は特徴を理解し、受容したらあとは特にすることと言ったら褒めることくらいでじゅうぶん一生懸命働いてくれます。
またよく面談で女性は泣きますが、女の子は「泣いてはいけない」と言われて育ってきていないので、泣きやすいです。ただそれだけです。
なので泣くのは仕方ないのでそう思ってあげましょう。

 さて、どう思うだろうか?

 「なんじゃこりゃ? よくもまぁ……」と唖然とした人も多かったのではないだろうか。

 当人もそれを予想済み。「これを読んだ女性から相当な攻撃を受けるとおもいます」と最後に書いている“期待”どおり、公開するや否や大炎上。女性のみならず男性からも非難ごうごうで、降格処分されることになってしまったのだ。

 ただ確かに、突っ込みどころ満載ではあるけど、

 「これって、本当に“女性の特徴”なんだろうか?」
 「ホントにそんなに、男女って違うんだろうか?」
 そう思えてならない。

 例えば、上記の「女性」を「上司」に置き換えてみよう。

上司は「何にでも言いたがりだが責任は絶対に負いたくない生き物」
上司は「あれができてない、これがよくない」と言いたい放題
上司は数字だけでは一切燃えてくれない生き物
上司はすぐに動かない
上司は会話でつながりを感じ満足感を得るもの
「で、結局何が言いたいの?」「じゃあ早くそうしたらいいじゃん。」「話が長くてまわりくどい。」これらは『上司に対してのタブー三大用語』

 ホラ、アナタの会社にもこんな“上司”が、一人や二人いるのではありませんか?