“女性の特徴”は“上司の特徴”でもある

 つまり、これは“女性の特徴”であり、“上司の特徴”なのだ。

 そもそも「『何のためにこの仕事に取り組むべきか? どのような意味があるのか?』ということの説明が必要」としているけど、人は「意味がある」と思うからこそ、いかなる困難でも乗り越えられる。

 女も、男も、関係ない。いったいどこの誰が、「意味がない」「意味が分からない」ことを必死にやるというのだ。

 意味をきちんと説明できなくて、上司でいる資格などない。これは女性の特徴ではなく、上司の手抜きでしかないのである。

 ただし、そう、一点だけ、「女性」と「男性」に違いがあるとすれば、往々にして男性には上司に楯突くことも、「ノー」という答えも準備されていないこと。

 楯突いたところで、スルーされるし、非難されるのがオチ。ホントは男性だって、言いたいことがあるし、「それっておかしい?」と思うこともある。その“言葉”を女性の場合は表面化できても、男性の場合はそうはいかず、地下化してるだけ。女性たちが文句を言っていることは、男性部下だって思っていること。女も男も同じなのだ。

(c)PIXTA
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 氏は、このブログの冒頭で、「ただひたすら逃げずに立ち向かったことにより見えてきたことがある」として、今回の「女性の3つの特徴」を挙げているが、人間は「自分でも認めたくない自分自身」を突きつけられたとき、ムカつく動物だ。昔の人は、いみじくもそれを「腹の虫がおさまらない」という、言葉で表現した。

 おそらく彼は、「腹の虫の正体」を必死に、逃げることなく、考えて考えて考えて、今回の3点にたどり着いた。

 それが「自分(=上司)の姿」であると気づくこともなく、ただただ「ムカつく女性」のせいにした。

 「自分」がやるべきことをやっていないことを認めたくないから、すべて「女性の特徴」と排除し、歪曲したのだ。

 あと一歩、自分に置き換え、「自分たちが当たり前にしていることを、彼女たちは教えてくれていることに気がついた」としてくれれば、共感を得るブログになったのに……。残念なことだ。