アメリカをよくするために―前向きに進む覚悟

 午後1時すぎ。デモ行進の先頭は、トランプタワーの手前で警察に止められて行き止まりとなった。

 そのまま6番街に流れて解散したグループも多かった。グループ解散の記念写真を撮っていた建築デザイナーであるモーガン・グラハムさん(35歳)に話を聞いた。

モーガン・グラハムさん
モーガン・グラハムさん

 「こんなデモをしないで済めば、どんなによかったか。例えば、トランプは強硬な移民政策をとると言っているが、私の祖父はドイツからの移民だし、アメリカはもともと多くの移民で成り立っている国。門戸を広く開放していることがアメリカの素晴らしさ。強制返還には断固反対だ」とデモを振り返った。

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 今回、1970年代以来の大行進デモが繰り広げられたニューヨーク。

 この日、デモに参加したニューヨークの人々は、トランプ新大統領の発言に対する怒りを心の底に秘めながらも、ひとつのアメリカになることを強く願い、前向きに進む覚悟を見せていた。

アメリカをよりよくしたい――そんな願いを込めて
アメリカをよりよくしたい――そんな願いを込めて

文・写真/羽山祐子