ついにドナルド・トランプ氏がアメリカの新大統領に就任しました。就任式後に行われたニューヨークでの反トランプの大規模デモの様子を、現地在住の羽山祐子さんがレポートします。参加者たちは何を訴えてデモ行進を行っていたのでしょうか……?

ニューヨークでのデモ参加者数は、なんと40万人!

デモ当日のニューヨークの様子をお届けします
デモ当日のニューヨークの様子をお届けします

 トランプ大統領の就任式が終わって1日経った21日、全米で新大統領に抗議する大規模なデモ行進が繰り広げられた。

 このデモを組織したのは、男女の平等と市民の権利を守ることをめざす「ウーマンズ・マーチ・オン・ワシントン」だ。同行進は、ワシントンDCで約50万人が参加。ニューヨークでは、当初の10万人の予想をはるかに超え、市長の発表では約40万人がマンハッタンの中心部を行進したという。

 マンハッタンの中心街を駆け抜けたこのデモは、ニューヨーカーの「民主主義」を求めるパワーの力強さを実感させるものだった。

25歳女性参加者の声

 21日朝のニューヨーク。1月下旬だというのに、いつもに比べて暖かかった。

 11時からのデモに間に合うように乗ったニューヨーク郊外からの通勤列車は、土曜日にも関わらず、プラカードを手にした女性や家族連れで満席。そして到着したグランドセントラル駅は、デモに参加するグループメンバーの待ち合わせをする人であふれかえっていた。

 抗議の象徴であるピンクの帽子をかぶり、友達を待つシエナ・マースさんは、25歳フィラデルフィア出身でマンハッタン在住のアーチスト。

シエナ・マースさん
シエナ・マースさん

 美術大学を卒業後、韓国で個展を開いたばかりという彼女は、「インターナショナルに活躍したいと思っているのに、トランプはグローバル化に逆行しているわ。しかも、トランプは就任当日にオバマケア(オバマ前大統領の主導で成立した医療保険制度改革)を廃止するなんてありえない! デモ行進に参加して自分たちの意思を表明してアメリカがひとつになることを願っている」と話す。