自分だけのヒストリーに自信を持って、次の目的地へ
カワイ あのね、昔の飛行機の操縦は今のように自動じゃなかったので、パイロットが目的地の飛行場を見つけるには、その飛行場からパイロットに送られるモールス信号だけが手掛かりだったのね。ところが、その信号が聞こえる場所は、地形、気候、その他の条件などで微妙に変わるの。
そこでパイロットは「信号音が聞こえる」ように、その都度動いていました。高さを変え、方向を変え、ちょっとずつ動きながら、信号音が聞こえるように操縦する。その都度その都度動くことで、無事に着陸することができたのよ。
ニケ へ~。人生も飛行機と同じなんですね。43歳会社員さんは、今まで仕事をして、たくさんの人と友達になって、いろいろな経験をしてるから「信号音」をキャッチするのは上手そう!
カワイ そうね。きっと上手だと思いますよ。でも、経験だけじゃ足りない。「動く」という中には、「学ぶ」ことも忘れないでほしいです。
ニケ 動くは攻める! ですね。
カワイ あぁ~、ニケさん! 本当に成長しましたね。うれしい!
そうです。人それぞれ、培ってきた経験も違えば、能力だって異なる。どんな人にもそこに至るまでのヒストリーがあるでしょ? 自分がやってきたこと、頑張ってきたこと、成し遂げたこと。
ニケ はい! こんなニケでもヒストリーはあります!
カワイ その自分だけのヒストリーを勇気に変えてほしいです。そして、時には右に行ったり、左に行ったり、高く飛んだり、低く飛んだり、今まで試したことがなかったことにもチャレンジしてほしい。
ニケ 43歳会社員さんは、チャレンジしたいっていう気持ちはものすごく高まってるという気がします。
カワイ そうね。背中を押してほしかったのでしょうね。さあ、私も次の目的地に向かって、右旋回、左旋回、宙返り、どんどんやりますよ!
ニケ はい! ニケも、薫さんに続きます!
カワイ い、いや……ついてこなくていい……ですよ。自由に飛びなさい!
ニケ えええ~! ニケは薫さんについていくって決めたんです!
カワイ い、いや……ほら、私はあっちこっち想定外に飛び出すから。ね、危険だから。ニケさんはニケさんで頑張って!
ニケ ええぇ~! かおるさ~んんん、どこまでもついていきますぅ~!
皆さんも、自分の空を羽ばたいてくださいね! 長い間ありがとうございました。(ニケ&河合薫)
文/河合薫 写真/PIXTA