若手社員の意見は否定され、年齢も役職も上の人の言うことがいつも通る。「年功序列」の会社の風土にモヤモヤしている28歳読者からの相談です。健康社会学者の河合薫さんによれば、それはいわゆる「ジジイの壁」! この壁が職場に存在していると気付いたら、自分たちにできることはあるのでしょうか? アラサーOL代表のニケさんも一緒に考えます。
【Q】年長社員を尊重し、若手の意見を否定する会社にモヤモヤ
私の勤務先は、年功序列のある日本的な会社だと思います。昔からいる人の意見は尊重するのに、若い社員が出した価値のある意見が認められないことがたくさんあります。長い間会社に貢献した人に見習うべきことは多いとは思いますが、新しい事業を生み出すのには必要ないのでは? と思ってしまいます。若い人の意見が否定されるたびにモヤモヤしています。(28歳、会社員、製造、独身)
【A】若手同士で連携し、根回しの術で攻める
ニケ このケース、「会社あるある」ですね!
カワイ 採用試験の時は「うちの会社でどんなことをやってみたいですか?」と学生に意見を求めるのに、入社した途端「言われたことだけやっとけ!」と怒られる。卒業生がいつも愚痴ってるわ。
ニケ 薫さん、よく言ってますよね。「何を言うか」じゃなく「誰が言うか」だって。
カワイ はい。コミュニケーションの鉄則です。年功序列の会社だろうと成果主義の会社だろうと関係ありません。
ニケ でも、年功序列だと「若い」ってだけで否定されるんですよね。それって悔しい。
カワイ 人は誰もが「自分の意見を聞いてほしい」と願う生き物ですからね。「若いから~」とか、「女だから~」とか、「子どもがいないから~」と属性で差別されるのは嫌よね。でもね、何度も言うけど「若い人の意見を聞かない会社=年功序列の会社」とは限りません。年功序列であっても、若い人の意見をきちんと聞く会社もあります。
ニケ え~! それは嘘ですよ! 年功序列の会社はオジさんたちが幅を利かせていて、オジさんの意見しか通らないも~ん。
カワイ 同じオジさんであっても、50歳を過ぎて役職定年になると、誰も意見を聞いてくれませんよ。年下が上司になり、出世した同期からは同情され、「経験なんて役に立たないんだ」と否定され続ける。
ニケ ウッ。……でも、相談者さんの会社は伝統的な会社のようなので、年齢が上の人の意見を尊重する空気はやっぱりあると思うんですぅ(イジイジ)。
カワイ それは悪いことではないですよ。問題は「若い人」に敬意を払わない職場風土です。
ニケ あ、何か分かってきた! つまり薫さんは、年功序列はあくまでも「人事制度」だって言いたいんですね。
カワイ その通りです。
ニケ 28歳会社員さんが、年功序列の制度を変えることはできない。でも、ひょっとすると……。
カワイ 若い人の意見にも耳を傾ける職場に変えることは……。
ニケ できる、かもしれない? 教えてください! ニケも知りたいです!
カワイ 前振りが長かったですね。今回のテーマは「ジジイの壁の一角を崩す方策」!